〔(株)文藝春秋=全集7(1972/08/20):【別冊黒い画集】第二話〕
題名 | 別冊黒い画集 第二話 熱い空気 | |
読み | ベッサツクロイガシュ ダイ02ワ アツイクウキ | |
原題/改題/副題/備考 | ●シリーズ名=別冊黒い画集 ●全7話 1.事故 2.熱い空気 3.獄衣のない女囚 4.形 5.陸行水行 6.断線 7.寝敷き |
●全集(6話) 1.事故 2.熱い空気 3.形 4.陸行水行 5.寝敷き 6.断線 ※全集から「獄衣のない女囚」が外れる。 |
本の題名 | 松本清張全集 7 別冊黒い画集・ミステリーの系譜■【蔵書No0079】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1972/08/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊文春」 | |
作品発表 年月日 | 1963年(昭和38年)4月22日号〜7月8日号 | |
コードNo | 19630422-19630708 | |
書き出し | 河野信子は渋谷の道玄坂上の「協栄家政婦会」というのに所属している。彼女がそこに入ったのは今から三年前で、夫と離婚してすぐであった。別れたのは、夫が他に女を作ったためだが、生活できないので、一時の腰掛けのつもりで派出家政婦になった。それがずるずると今日まで及んでいる。入ってみると、中年女の収入としてはそれほど悪くない。手に技術を持たない三十二歳の女が、破壊された家庭を出て、どのような職業に就き得るだろうか。それは新聞の三行案内の求人欄を見ると一ぺんに分かる。料理屋のお座敷女中、旅館の下働き、保険の集金人といった類である。その他、バーやキャバレーのホステスがあるが、これは若くて顔がきれいでないと傭ってくれない。お手伝いさんの口ならいくらでもあったが、河野信子は個人の家に長く辛抱している気持ちになれなかった。その点、いまの家政婦会は契約期間だけの短い雇傭関係だから、大して苦にはならない、それに、食事向こう持ち一日八百五十円というのはそう悪くなかった。 | |
作品分類 | 小説(中編/シリーズ) | 73P×1000=73000 |
検索キーワード |