松本清張_獄衣のない女囚(【別冊黒い画集】第三話として発表)

〔(株)文藝春秋=高台の家(1967/05/25):【獄衣のない女囚】〕※全集から外れる。

題名 獄衣のない女囚
読み ゴクイノナイジョシュウ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=別冊黒い画集
●全7話
1.
事故
2.
熱い空気
3.獄衣のない女囚
4.
5.
陸行水行
6.
断線
7.
寝敷き
(株)文藝春秋=高台の家
獄衣のない女囚

※全集から「獄衣のない女囚」が外れる。
本の題名 高台の家【蔵書No0045】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1967/05/25●初版
価格 980
発表雑誌/発表場所 「週刊文春」
作品発表 年月日 1963年(昭和38年)7月15日号〜1963年(昭和38年)10月14日号
コードNo 19630715-19631014
書き出し 服部和子は午後四時ごろに会社を出た。今日はいつもより一時間半は退社が早い。どんなに早くとも、彼女には別に喜びはなかった。逢いたい人もいなければ、観に行きたいものもない。かえって時間の早いのが憂鬱なくらいだった。勤めている会社は機械商で、もう十年間タイプを叩きつづけている。年齢も三十二になっていた。今さら若い男とつき合いも億劫だった。十年もいると、職場の男には魅力も何も感じなくなる。いま住んでいるのは公営の独身アパートで、ここに入るまではあちこちのアパートを渡り歩いた。二年前にようやく入居資格の収入に達して申し込んだのが、運よく一年前になって抽籤に当たり、本望を達した。当座はうれしくてならず、部屋飾りや調度を買い揃えるのに生き甲斐を感じたものだ。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 180P×550=99000
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