松本清張_別冊黒い画集 第一話 事故

〔(株)文藝春秋=全集7(1972/08/20):【別冊黒い画集】第一話〕

題名 別冊黒い画集 第一話 事故
読み ベッサツクロイガシュ ダイ01ワ ジコ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=別冊黒い画集
●全7話
1.事故
2.熱い空気
3.
獄衣のない女囚
4.

5.
陸行水行
6.
断線
7.
寝敷き
●全集(6話)
1.事故
2.熱い空気
3.

4.
陸行水行
5.
寝敷き
6.
断線

※全集から「獄衣のない女囚」が外れる。
本の題名 松本清張全集 7 別冊黒い画集・ミステリーの系譜【蔵書No0079】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/08/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「週刊文春」
作品発表 年月日 1962年(昭和37年)12月31日・1963年(昭和38年)1月7日号合併号〜1963年(昭和38年)4月15日号
コードNo 19621231-19630415
書き出し 高田京太郎は、或る朝、寝床の中で朝刊を開いていたとき、「あ、やっている」と声を出した。高田は、新聞が来ると、まっさきに社会面を開く。これは、普通の新聞読者が興味本位に社会面を見る心理とは少し違って、彼の場合は職業的なものからだ。高田京太郎は、協成貨物株式総務課車輌係である。協成貨物はトラック十数台を持っている運送会社で、この中には・東京・松本の長距離運送も含まれている。高田は三十七歳で、前に保険会社の外交員をしていたのだが、六年前に現在の会社に替った。高田の職業的意識というのは、彼が自動車会社の総務課車輌係ということからで、この係は自動車事故の処理を専任としている。「トラック重役宅に侵入」というのが高田の眼を奪った見出しだった。「二月十一日午前零時二〇分頃、杉並区R町××番地会社重役山西省三さん(四二)方に突然深夜運送のトラックが突入し、同家の門を破り、五メートル離れた玄関先まで突進して停止した。そのため玄関内はメチャメチャとなった。このトラックの運転手は千代田区神田××町協成貨物株式会社の山宮健次(二一)で、路面が凍ったためのスリップと、居眠り運転による二重事故という珍しいもの、同家には負傷者はなかったが、山宮運転手は全治三日間の打撲傷」高田京太郎は、読み終わって、「しょうがねえな」と舌打ちをした。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 92P×1000=92000
検索キーワード