松本清張_日本の黒い霧 第十話 推理・松川事件

題名 日本の黒い霧 第十話 推理・松川事件
読み ニホンノクロイキリ ダイ10ワ スイリ・マツカワジケン
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=日本の黒い霧
●全12話=全集(12話)
 1.下山総裁謀殺論(
下山国鉄総裁謀殺論
 2.運命の「もく星」号(
「もく星」号遭難事件
 3.謀略疑獄−−その氷山の一角(
二大疑獄事件
 4.北の疑惑−−白鳥事件(
白鳥事件
 5.諜報列島−−亡命ソ連人の謎(
ラストヴォロフ事件
 6.
革命を売る男・伊藤律
 7.
征服者とダイヤモンド
 8.画家と毒薬と硝煙(
帝銀事件の謎
 9.白公館の秘密(
鹿地亘事件
10.推理・松川事件
11.黒の追放と赤の烙印(追放とレッド・パージ
12.謀略の遠近図(
謀略朝鮮戦争
なぜ「日本の黒い霧」を書いたか
本の題名 松本清張全集 30 日本の黒い霧【蔵書No0118】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文藝春秋」
作品発表 年月日 1960年(昭和35年)10月号
コードNo 19601000-00000000
書き出し 松川事件における広津和郎氏の観点は、被告たちの無罪を立証するために重点が置かれた。従って、その資料は殆ど裁判記録のみに限られているようである。被告の無罪を証明するために、その資料を法廷記録に限定し、その中から矛盾や不合理を抽出して真実の帰納を試みたことでこれは正しい方法である。そのために、広津氏は意識して法廷記録に出ないものや、単なる噂にすぎないものは排除している。これも当然の態度である。「法廷記録及び法廷に提出された証拠の一切を調べても、被告人諸君が松川事件の犯人であるということを証明しているものは一つもない。むしろ、被告人諸君がこの事件とは何の関係も無いということを証明しているものばかりである。よく人は、それならば誰が真犯人か、とわれわれに質問する。それに明確に答えることが出来れば、人を納得させるに都合がいいということをわれわれは知っているであるが、しかし、残念ながら、今の段階では確実な返答をすることは出来ない。真犯人が何者であるか、ということを想像させる若干の資料がないとは云えないが、しかし、それは想像させるに止まって、キメ手であるとは云えない。判決文は想像や憶測によって被告人諸君を真犯人と認定したことがいかに不当であるか、ということを検討しているのが私の文章である。その私自身が想像で真犯人を推測するなどということは、もとより避けなければならない」と広津氏は云っている。
作品分類 ノンフィクション(短編/連作) 40P×1000=40000
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