松本清張_日本の黒い霧 第三話 二大疑獄事件−昭電・造船汚職の真相−(改題)

(原題=謀略疑獄−−その氷山の一角)

題名 日本の黒い霧 第三話 二大疑獄事件 −昭電・造船汚職の真相−
読み ニホンノクロイキリ ダイ03ワ ニダイギゴクジケン −ショウデン・ゾウセンオショクノシンソウ−
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=日本の黒い霧
(原題=謀略疑獄−−その氷山の一角)
●全12話=全集(12話)
 1.下山総裁謀殺論(
下山国鉄総裁謀殺論
 2.運命の「もく星」号(
「もく星」号遭難事件
 3.謀略疑獄−−その氷山の一角二大疑獄事件
 4.北の疑惑−−白鳥事件(白鳥事件
 5.諜報列島−−亡命ソ連人の謎(
ラストヴォロフ事件
 6.
革命を売る男・伊藤律
 7.
征服者とダイヤモンド
 8.画家と毒薬と硝煙(
帝銀事件の謎
 9.白公館の秘密(
鹿地亘事件
10.
推理・松川事件
11.黒の追放と赤の烙印(
追放とレッド・パージ
12.謀略の遠近図(
謀略朝鮮戦争
なぜ「日本の黒い霧」を書いたか
本の題名 松本清張全集 30 日本の黒い霧【蔵書No0118】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1972/02/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文藝春秋」
作品発表 年月日 1960年(昭和35年)3月号
コードNo 19600300-00000000
書き出し 連合軍総司令部民政局(GS)の次長であったチャ−ルス・ケージスと恋愛関係を噂された鳥尾夫人が、その手記に、次のような意味のことを書いている。彼女の夫は、当時、日本自動車株式会社の重役であったが、会社に方の資金繰りが相当苦しく、その窮状を夫人が、或る日、遊びに来たケージスに話した。するとケージスは、「日本には、復金といって企業の復興に金を出す金庫があるじゃないか。そこから借りたらよいではないか」と云った。彼女が「復金は、口では貸しましょうと云ってくれるが、実際にはなかなか貸してくれない」と云うと、ケージスは「それはおかしい。それではすぐGSで復金の研究を始めてみよう」と云って、実際、GSですぐ復金(復興金融金庫。昭和二十一年に設けられた「経済復興」を目的とした政府機関)の研究を始めたらしい。それから暫く経って夫人の家にやって来たケージスが、「研究してみたら、復金の内情がよく分かった。あれは昭和電工という所に非常にたくさん貸出していた。中小企業にはほとんど金が廻ってない。これは不合理でもあるし、おかしいからよく調べさせることにした」と云った。それが確か二十三年春のことだったと思う。
作品分類 ノンフィクション(短編/連作) 34P×1000=34000
検索キーワード