その
十九
 

その
十九

清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。

ぼんやり題名の特徴などを考えていたと、きその特徴を整理してみようと思い立った。

まさに蛇足的考察である!


(第三部:その十九).

その十九

22/10/21
●風

数の風景」【歌のない歌集】:第一話
黄色い風土」(原題:黒い風土)
骨壺の風景」【無宿人別帳】:第二話
突風」【影の車】:第八話
梅雨と西洋風呂」【黒の図説】:第六話
風の視線
風紋」(原題:流れの結像)
突風」【紅刷り江戸噂】:第三話
風の息」(上)(下)
信玄軍記/炎風


「風炎」《改題=「殺人行おくのほそ道(上)」・「殺人行おくのほそ道(下)」》
「風圧」《改題=「雑草群落(上)」・「雑草群落(下)」》
※エッセイで
暗色調(ダークトーン)の中の風景(エッセイ:2020年7月16日購入)もあった。


「風」にもいろいろある。

【風景】【風土】【突風】【風呂】【風紋】【炎風】
【風呂】だけが異質だ。なぜ、風に「呂」と書いて風呂なのだろう?

ちなみに【呂】は
ろ【呂】
読み方:ろ
[常用漢字] [音]ロ(呉) リョ(漢)
[一]〈リョ〉雅楽などで、陰の調子。「大呂・南呂・律呂」
[二]〈ロ〉当て字。「語呂・風呂(ふろ)」

[難読]呂宋(ルソン)・呂律(ろれつ)



年代順に並べてみた。各年代に満遍なく書かれている。
「突風」と「風景」がそれぞれ二作品。短編長編が、半々ぐらい。「風の○○」も二作品。
とにかく満遍なく登場している。

信玄軍記/炎風 【信玄軍記(河出新書)】 1956年(昭和31年)3月●短編/時代
黄色い風土(原題:黒い風土) 【北海道新聞】 1959年(昭和34年)5月22日〜1960年(昭和35年)8月7日●長編
風の視線【女性自身】 1961年(昭和36年)1月3日号〜12月18日号●長編
突風【影の車】:第八話 【婦人公論】 1961年(昭和36年)8月号●短編
風紋(原題:流れの結像) 【現代】 1967年(昭和42年)1月号〜1968年(昭和43年)6月号●長編
突風【紅刷り江戸噂】:第三話 
【小説現代】 1967年(昭和42年)6月号〜8月号●短編/時代
梅雨と西洋風呂【黒の図説】:第六話 
【週刊朝日】 1971年(昭和46年)7月17日号〜12月11日号●長編
風の息(上)(下)
 【赤旗】 1972年(昭和47年)2月15日号〜1973年(昭和48年)4月14日号●長編
骨壺の風景
【新潮】 1980年(昭和55年)1月号●短編
数の風景【歌のない歌集】:第一話 【週刊朝日】 1986年(昭和61年)3月7日号〜1987年(昭和62年)3月27日号●長編

少々ネタ切れの感がある。『風景』として取り上げていた。
今回を持って【題名に関する一考察】は完結とします。
完結にするに当たって三部構成にしていましたが、一つにまとめます。


2022年10月21日記