松本清張_秘壺

題名 秘壺
読み ヒツボ
原題/改題/副題/備考 ●松本清張未刊行短編集
任務】709__02(重複709・1075)

危険な広告】734
筆記原稿】735
鮎返り】736
女に憑かれた男】737
悲運の落手】738
秘壺】739
電筆】740
特派員】686__02(重複686)
雑草の実】741 
本の題名 任務 松本清張未刊行短編集 【蔵書No0243】
出版社 中央公論新社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 2022/11/10●初版
価格 2000円+税(200円)
発表雑誌/発表場所 藝術新潮 1960年9月
作品発表 年月日 1960年9月 
コードNo 19600900-00000000
書き出し 約束の時間を過ぎたが、内村文部技官は容易に姿を現さなかった。おかしいな、どうしたんでしょうね、と紹介者が訝しがっている。
この料亭は、少し表通りから入り込んでいるので、場所が分からないのではないか、と高杉は云ったが、いや、そんあ筈はありませんよ。地図で書いて渡してあるんですから、とその人は会った。まだ若い男だったが、ある雑誌の編集者だった。
高杉は、内村技官に会いたいと、この編集者を通じて四,五日前に申し込んだのだが、それは、すぐ先方が承諾してくれた。それで、今夜、ここで落合うことのなったのだが、無論、高杉にとっては初対面お人である。なに、気さくないい人ですよ、と紹介者は云ったが、高杉にとっては、実は、この面会は多少気が重かった。
今度の事件で一番歩が悪いのは、この内村技官でsる。古瀬戸の壺を重要文化財指定に持ち込んだのはこの人だし、それが偽物と騒がれている現在、この人の立場は微妙だった。いわば攻撃の的になっている内村技官に、たとえ当人から直接話を聞くためとはいいながら、それが新聞記者の任務となると、何か一種の追討ちをかけるような印象を与えそうである。第三者の意見を聞くときと違って、その騒ぎの中で「被告」の立場にある人に会うのは、馴れてはいても、やはり気分が重い。
作品分類 小説(短編) 33P×850=28050
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