松本清張_私説・日本合戦譚 第七話 島原の役

題名 私説・日本合戦譚 第七話 島原の役
読み シセツ・ニホンガッセンタン ダイ07ワ シマバラノエキ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=私説・日本合戦譚
●全9話(全集)
1.
長篠の合戦
2.
姉川の戦
3.
山崎の戦
4.
川中島の戦
5.
厳島の戦
6.
九州征伐
7.島原の役
8.関ヶ原の戦
9.
西南戦争
本の題名 松本清張全集 26 火の縄 小説日本芸譚/私説・日本合戦譚【蔵書No0108】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1973/3/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1965年(昭和40年)7月号
コードNo 19650700-00000000
書き出し 寛永十一年から三年間、九州の涯、島原領と天草島では凶作がつづき、飢饉がおこった。十四年の春からは餓死する者がふえた。麦も出来ず、夏は、日魃で田は地割れし、苗一本育たない。盗賊が横行して人心が動揺し、不安はたかまった。不安に流言はつきものだ。流言は流言を生み、人々の恐怖をさらに煽った。この不安のうちには、十三年以来、将軍家光の病状も入っている。家光は、この年に入って病勢がすすみ、伺候する者とも会わなくなったので、実は死去したのではないかという風説がたっていた。これも人心動揺の一因となっている。家光の不例を背景にして、やれ、、権現さまの末子、南竜公紀州さまが謀叛をおこされるの、牢人衆が一揆をおこすのという評判がつたわった。九州地方ではさらに不思議な天然現象がおこった。朝焼け夕焼けは朱を塗ったように燃えたつばかり、秋に入ったというのに、まるで春のように花が狂い咲いた。この秋の末には世の中が火の地獄になる前ぶれではないか、という不吉な噂もひろがった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 22P×1000=22000
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