松本清張(1152)_紅刷り江戸噂 第一話 七種粥

〔(株)文藝春秋=全集24(1972/10/20):【紅刷り江戸噂】第一話〕

題名 紅刷り江戸噂 第一話 七種粥
読み ベニズリエドウワサ ダイ01ワ ナナクサガユ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=紅刷り江戸噂
●全6話=全集(6話)
1.七種粥
2.
3.
突風
4.
見世物師
5.

6.
役者絵
本の題名 松本清張全集 24 無宿人別帳・彩色江戸切絵図/紅刷り江戸噂【蔵書No0134】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/10/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「小説現代」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)1月号〜3月号
コードNo 19670100-19670300
書き出し その年正月六日は雪であった。「よく降るな」と、庄兵衛は炬燵の中にまるくなりながら、中庭の松の上に積もった雪を見て云った。広い家の中だが、しんとしている。「七種が明日にきて、やっと正月らしい気分になったわな」と、お千勢は庄兵衛に茶を淹れながら答えた。「うむ、おおきにそうだ。三ガ日は、まるで休んだような心地がしなかったからの」と、庄兵衛は若い女房のお千勢から渡された湯呑を手で囲いながら、軒から落ちる白いものを眺めた。庄兵衛は、日本橋掘留でかなり手広く商売をしている関東織物の問屋であった。今年四十九の小厄だ。先妻は七年前に死んで、いまのお千勢を五年前に迎えた。年は二十くらい違う。その器量を望んで庄兵衛が川越からもらった。お千勢の親は川越の地主だが、いったん嫁に行ったのが亭主の若死で家に戻ってきていたのだった。
作品分類 小説(短編・時代/シリーズ) 33P×1000=33000
検索キーワード なずな売り・若い後妻・手代との仲・好色な内儀・食中毒・トリカブト・岡っ引き・関東織物・世話焼き女房・嫉妬