清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。
ぼんやり題名の特徴などを考えていたと、きその特徴を整理してみようと思い立った。
まさに蛇足的考察である!
No015 | 06/03/02 | ●かな、カナ、仮名、ひらがなの題 わるいやつらはすずらんのさくけものみちをなかまとやってくる。(たづたづし・いびきがたりない) |
「いびき」( 1956年10月) 「なかま」●《改題=雨と川の音》「雨と川の音」の前編となる。(1958年(昭和33年)7月) 「わるいやつら」(1960年1月11日〜1961年6月5日) 「けものみち」(1962年1月8日〜1963年12月30日) 「たづたづし」(1963年5月) 「すずらん」(原題=六月の北海道)(1965年11月) 清張作品の”ひらがなの題”と言えば、今、TVドラマで話題の、「わるいやつら」でしょう。 「たづたづし」・「けものみち」 も代表作です。 「ひらがな」から来る「やわらかい」印象とは別で、かなり濃い内容のようです。 特に、「わるいやつら」・「けものみち」は悪党のオンパレードの感があります。 本来漢字でも良いのに、ひらがなにした狙いがありそうです。 そのままひらがなの題は、「たづたづし」です。 「たづたづし」は、万葉集の和歌の一節ですが、歌の解説があるにもかかわらず意味が分からない。 「枕詞」とかいうのだろうか? 「なかま」・「いびき」は、時代物だが、「いびき」はテーマが面白い。 「すずらん」は、まったく印象にない。再読してみよう。...と、思い 再読してびっくり!。 「たづたづし」と、万葉集つながりです。 たづたづし=「夕闇は路たづたづし月待ちて行かせわが背子その間にも見む」 すずらん=「春の野に菫摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜ねにける」 6作品を二つづつ分類することが出来ました。 2006年03月02日記 |