015  

かな、カナ、仮名、ひらがなの題

015

清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。

ぼんやり題名の特徴などを考えていたと、きその特徴を整理してみようと思い立った。

まさに蛇足的考察である!


No015 06/03/02 ●かな、カナ、仮名、ひらがなの題

わるいやつらはすずらんのさくけものみちをなかまとやってくる。(たづたづし・いびきがたりない)
いびき」( 1956年10月)

なかま●《改題=雨と川の音「雨と川の音」の前編となる。(1958年(昭和33年)7月)

わるいやつら」(1960年1月11日〜1961年6月5日)

けものみち」(1962年1月8日〜1963年12月30日)

たづたづし」(1963年5月)

すずらん(原題=六月の北海道)(1965年11月)


清張作品の”ひらがなの題”と言えば、今、TVドラマで話題の、「
わるいやつら」でしょう。

たづたづし」・「けものみち」 も代表作です。

「ひらがな」から来る「やわらかい」印象とは別で、かなり濃い内容のようです。

特に、「
わるいやつら」・「けものみち」は悪党のオンパレードの感があります。

本来漢字でも良いのに、ひらがなにした狙いがありそうです。

そのままひらがなの題は、「
たづたづし」です。

たづたづし」は、万葉集の和歌の一節ですが、歌の解説があるにもかかわらず意味が分からない。

「枕詞」とかいうのだろうか?

なかま」・「いびき」は、時代物だが、「いびき」はテーマが面白い。

すずらん」は、まったく印象にない。再読してみよう。...と、思い

再読してびっくり!。

たづたづし」と、万葉集つながりです。

たづたづし=「夕闇は路たづたづし月待ちて行かせわが背子その間にも見む」

すずらん=「春の野に菫摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜ねにける」

6作品を二つづつ分類することが出来ました。


2006年03月02日記