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疑/疑問の「疑」

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清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。

ぼんやり題名の特徴などを考えていたと、きその特徴を整理してみようと思い立った。

まさに蛇足的考察である!


(第二部)

No0C 08/10/19 ●疑/疑問の「疑」

「疑」です。疑惑の「疑」・疑問の「疑」
疑惑」/「サンデー毎日・臨時増刊」(1956年(昭和31年)7月号)(原題=昇る足音)

群疑」/「キング」(1957年(昭和32年)10月号)

死の枝 第四話 史疑」/「小説新潮」(1967年(昭和42年)5月号)

疑惑」/「オール讀物」(1982年(昭和57年)2月号)

小説では以上である。

「疑惑」は同姓同名だ。「疑惑」(オール讀物)は時代小説

同姓同名で一方が時代小説のパターンで「
突風」。両方時代小説のパターン「転変」「逃亡

題名が2文字なのは、前に
「風」を取り上げたのと同じ理由だからなのだろう

ただ「風」は「フウ」と読むことで2文字になる事が多いのだが、「疑」は「ギ」である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(ぎ)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
「疑」とは、仏教の示す真理に対して思い定むることなく、まず疑ってかかる心である。このような心をもつ限り
、いかなる教えも自心は受け付けることはない。
疑は、六大煩悩の一つである。


死の枝 第四話 史疑」は古代史を連想させる題である。
新井白石の著作「史疑」とあるので調べたら、

http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/daijiten-arai-hakuseki.htm より
>古代史については、神話に合理的解釈を試み、その中に含まれる歴史的事実を究明しようとした
>『古史通』があり、さらに『史疑』を著わし、六国史の文献批判を行なったが、これは現在ほとんど
>伝わっていない。


古代史など、その他では

日本の黒い霧 第三話 二大疑獄事件 −昭電・造船汚職の真相−」(「文藝春秋」(1960年))
古代史疑」(「中央公論」(1966年))
遊古疑考」(「芸術新潮」(1971年))
松本清張社会評論集 T 「示談」への疑惑
疑通史−古代信仰は日本固有のものか

である。



2008年10月19日記