松本清張(1102)_詩と電話

題名 詩と電話
読み シトデンワ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 失踪 松本清張初文庫化作品集@【蔵書No0207】
出版社 (株)双葉社
本のサイズ 文庫(双葉文庫)
初版&購入版.年月日 2005/11/20●初版
価格 630(600+30)
発表雑誌/発表場所 「オール讀物」
作品発表 年月日 1956年(昭和31年)8月
コードNo 19568000-00000000
書き出し 陰鬱な長雨が終わると、急に強い光線の、眩しい初夏になった。調査部の梅木欽一は部長に呼ばれて、今度の異動で通信部に移らないかと云われた。「通信部から君を返して貰い度といって来ている。身体もよくなったし、久しぶりに出ていってはどうだね」梅木は一年前に胸を悪くして長く休んでいたが、癒くなってから出社して来ても、病後というので暇な部署で遊ばしてもらっていた。「H通信局の村田君がよそに行くので、あすこが空くのだ。どうだ、一年くらい田舎暮らしもいいぜ」と、にやにやした。梅木はそれもいいな、と思ったのでその場で承知した。家族の無い気軽さだった。彼は調査室に戻って、H市というのはどんな所かと思って、本を調べてみた。(H市。人口三万八千。日本三大急流の一つK川の中流の北岸に発達した旧城下町。市の西端の城址は五万石須貝侯の居城であった。市の産業は林業と果実。また材木の集散地。この附近から乗って下流八キロに亘る舟行はK川下りとして有名。夏の鮎釣りと秋の紅葉時の渓谷美は独特である。人情醇朴、山間の城下町の気品と情趣が残っている)   
作品分類 小説(短編) 36P×500=18000
検索キーワード 電話交換手・新聞社・転勤・人吉市・通信局・記者溜・警察・盗聴・漏洩・スクープ・詩集・朝霧・協定・停戦・将棋