松本清張_現代官僚論 第八話 警察官僚論

〔(株)文藝春秋=全集31(1974/07/05)【現代官僚論】で第六話として発表〕

題名 現代官僚論 第八話 警察官僚論
読み ゲンダイカンリョウロン ダイ08 ケイサツカンリョウロン
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=現代官僚論
●全13話
 1.
現代官僚論
 2.
文部官僚論
 3.
農林官僚論
 4.
検察官僚論
 5.
通産官僚論
 6.
旧内務官僚論
 7.
建設官僚論
 8.警察官僚論
 9.内閣調査室論
10.
防衛官僚論
11.
運輸官僚論
12.
大蔵官僚論
13.
外務官僚論         
●全集(7話)
1.
現代官僚論
2.
文部官僚論
3.
農林官僚論
4.
検察官僚論
5.
通産官僚論
6.警察官僚論
7.内閣調査室論 
本の題名 松本清張全集 31 深層海流・現代官僚論【蔵書No0115】
出版社 文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1974/07/05●2版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「週間文春」
作品発表 年月日 1964年(昭和39年)4月号〜6月号
コードNo 19640400-19640600
書き出し 私たちはしばしば国家権力という言葉を耳にする。抽象的なこの言葉も実感として直接肌に味わうのは警察である。それは警察が国家権力機構の末端として国民に接触しているからである。ほかの官庁も国民と接触していないわけではないが、それは警察にくらべるとはるかに狭く、権力といっても、たとえば企業に対する許認可権、監督権といったものが多く、一般の国民にはあまり関係がない。また、それらは人権的な自由を拘束しないから、国家権力という感じは直接にはこないのである。警察は国民と絶えず接触している。彼らは、尋問、逮捕、処罰の権利を持っている。国民の自由を束縛する唯一の国家権力の実行機関が警察なのである。したがって、明治以来、警察は国民に対して絶えず威圧感を与えてきた。これほど力を持って国民を統治できる機関はなかった。
作品分類 ノンフィクション(短編/シリーズ) 39P×1000=39000
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