題名A | 影の車 第三話 薄化粧の男 | |
読み | カゲノクルマ ダイ03ワ ウスゲショウノオトコ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 | |
●シリーズ名=影の車 ●全8話 1.確証〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 確証〔(株)新潮社=黒地の絵 傑作短編集二〕 2.万葉翡翠〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 万葉翡翠〔(株)新潮社=駅路 傑作短編集六〕 3.薄化粧の男〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 薄化粧の男〔(株)新潮社=駅路 傑作短編集六〕 4.潜在光景〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 潜在光景〔(株)新潮社=共犯者〕 潜在光景〔(株)角川書店=潜在光景〕 5.典雅な姉弟〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 典雅な姉弟〔(株)新潮社=共犯者〕 6.田舎医師〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 田舎医師〔(株)新潮社=宮部みゆき選〕 7.鉢植えを買う女〔(株)文藝春秋=松本清張全集1〕 鉢植えを買う女〔(株)角川書店=潜在光景〕 8.突風〔中央公論新社:文庫(中公文庫)〕 |
●全集(7話) 1.潜在光景 2.典雅な姉弟 3.万葉翡翠 4.鉢植えを買う女 5.薄化粧の男 6.確証 7.田舎医師 ※「突風」が未収録 |
|
本の題名 | 駅路 傑作短編集(六)■【蔵書No0227】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1965/07/30●36版1982/4/30 | |
価格 | 400/古本 1円+送料250 | |
発表雑誌/発表場所 | 「婦人公論」 | |
作品発表 年月日 | 1961年(昭和36年)3月号 | |
コードNo | 19610300-00000000 | |
書き出し | 三月三日の午前五時半ごろだった。夜明けの光が雑木林の向うに蒼白く射している。あたりはまだうす暗かった。朝靄が林の裾や遠い家なみ屋根の上に立っている。畠も、道も、白い霜が降りていた。郊外なので、まだ住宅地よりも田圃が多い。牛乳配達人が自転車に乗って、その道を走っていた。ハンドルに掛けた袋の中で、詰った牛乳壜が微かに鳴っている。配達人は一軒ずつ壜を置いていった。その住宅地を離れると、次の町に移るまでは両側が広い田圃になっていた。まだ藁屋根の百姓家が残っていて、霜はその上にも雪のように載っていた。歩いている人はいなかった。鳥が鳴いていた。牛乳配達人は、十七歳の少年だった。田圃道に降りた霜に自転車のタイヤを転がしていると、前方に小型自動車が一台止まっているのが眼についた。 | |
作品分類 | 小説(中編/シリーズ) | |
検索キーワード | 愛人・共謀・牛乳配達・練馬区高松町・椎名町・ゲイボーイ・ルノー・吝嗇・本妻・妾 |