登場人物
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鳥沢良一郎 |
法医学の教授。趣味で法隆寺の仏像を見に行く。仏像を見学中に新井大助から声をかけられる。展覧会で新井大助と再会する。
法医学の専門家として新井の作品である「微笑」に興味を持つ。
小説では、探偵役で事件を見届けることになる。 |
新井大助 |
背の低い、三十五,六歳のがっちりした体格の男。彫刻家。自ら「微笑」に取り憑かれていると言うほどのめり込んでいる。
「古抽の笑い」を追及する中で、宅間添子に巡り会うが、モデルの希望は断られる。偶然宅間添子の死に遭遇しデスマスクを取ることになる。
デスマスクは、彼の作品「微笑」に反映される。作品は展覧会でも高評価を得るが、命取りになる。 |
上島忠太郎 |
共福生命保険株式会社調査室の調査員。展覧会で鳥沢博士と出会い、勘違いから声をかける。
顔の長い、痩せぎすの、背の高い、三十五,六の男。眉の薄い頬骨の張った顔
鳥沢博士を美術関係の先生と勘違いするが、「法医学博士」である事を知りむしろ興味を持ち話をする。 |
宅間添子 |
女子大を卒業しながら、失恋を契機に米兵のオンリーになる。桜アパートで暮らす。新井大助のモデルの依頼は断る。
大量のドライアイスで事故死?をする。死に顔が微笑んでいるように見えることが事件を複雑にしていく。
新潟に父親が居る。自分に、多額の死亡保険を掛け、受取人は父親にしていた。 |
宅間平造 |
添子の父親。妻には10年前に先立たれ、一人で農業をしている。添子が死亡したことにより保険金の受け取りを請求する。
自殺の可能性も有り、保険金がなかなか受け取れない。
添子の生前、訪ねていくが相手にされない。添子には、米兵のオンリーになってしまった事への負い目があるのだろう。
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村沢庄太郎 |
桜アパートの管理人。五十四歳、妻は春子。世話好き。様々な職業を経験しながら今は、管理人として生活している。
アパートの住人である宅間添子に関心を寄せている。新井大助とも顔見知り。宅間添子の死亡や新井大助の関係など事件の鍵を握る。 |
岡島初男 |
桜アパートの宅間添子の隣室に住む。二十七歳、独身。評判もよくもうじき係長だと言われていた。カメラ狂
管理人に頼まれて、宅間添子の死に顔を撮る。添子とは特別な関係は無かった。 |
石井警部補 |
警視庁鑑識課の警部補。鳥沢博士の兼ねてからの知り合いで、警視庁の会合で、鑑識課の石井警部補を引き留めて、彫刻の展覧会を見ることを勧めた。
石井は、美術や彫刻には興味は無かったが、鳥沢博士の話には興味を持った。
仕事上でも親密な付き合いがるようだ。鳥沢博士の情報から神奈川県警の事件だが調べていく。博士の要望に的確に応えながら真相に迫る。 |
窪田亀一 |
新井大助の彫刻家仲間。親のスネかじりで、芸術家気取りで生活している。 |