題名 | 名札のない荷物 1. 怨霊のなぐさめ | |
読み | ナフダノナイニモツ 1. オンリョウノナグサメ | |
原題/改題/副題/備考 | ●シリーズ名=名札のない荷物 ●全8話 1.怨霊のなぐさめ 2.天正十年のマクベス 3.「兵隊王」の丘から 4.立ちどまる賢人 5.日記メモ1968・2 6.日記メモ1968・3 7.南半球の倒三角〔松本清張短篇小説館(2/5話)の再録〕 8.鼎談・人類共通の敵エイズを考える 座談会/鼎談=塩川優一・寺松尚・松本清張 |
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本の題名 | 名札のない荷物■【蔵書No0192】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1992/08/25●3版1972/09/20 | |
価格 | 1165+税(3%)/古本 88(税5%込み)+送料340 | |
発表雑誌/発表場所 | 「新潮45」 | |
作品発表 年月日 | 1990年(平成2年)6月号 | |
コードNo | 19900600-19900600 | |
書き出し | 雑誌「旅」にわたしが『点と線』の連載を始めたのは昭和三十二年である。現代とは違って当時は列車の本数が大変少なかった。いつでもどこにでも自由に行けるという時代ではなかった。現代は列車の数も大量に増え、ダイヤも密である。昔のように本数の少ない時刻表によって、トリックを案出する本格的な推理小説の妙味は、うすれているのではないかと思う。英国の古い推理作家クロフツが『クロイドン発十二時三十分』(一九三四年)という題の小説を発表して評判をとった。クロフツは『樽』『一九二〇年』で一躍有名になったが、短編でも鉄道関係が多い。その大半の作品は鉄道会社に勤務しながら書いたという。わたしの『点と線』は、いわゆる時刻表のものではないけれど、東京駅中央線のホームから「あさかぜ」、つまり東京駅から博多行きの夜行列車が出る四分の間、ホームとホームのあいだの線路ががら空きになって、見通しになるという事実を使った。一日たった四分間だけの空白時間帯の利用だった。 | |
作品分類 | エッセイ | |
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