松本清張_状況曲線(下)(【禁忌の連歌】第二話)

(株)新潮社状況曲線(下)(1988/09/25):【状況曲線】〕

題名 状況曲線(下)
読み ジョウキョウキョクセン(ゲ)
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=禁忌の連歌
●全4話
1.
渡された場面
2.状況曲線/状況曲線(上)状況曲線(下)
3.
天才画の女
4.黒革の手帳/
黒革の手帳(上)黒革の手帳(下)
(株)新潮社=状況曲線(下)
本の題名 状況曲線(下)【蔵書No0082】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1988/09/25●初版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「週刊新潮」
作品発表 年月日 1976年(昭和51年)7月29日号〜1978年(昭和53年)3月9日号
コードNo 19760729-19780309
書き出し 《六月二十八日午後六時四十分ごろ、味岡氏とあなたは舘山寺温泉の湖翠閣を出て、天竜市二股の旅館飛流閣に移った理由は何ですか?》のちになって大石謙吉は警察当局に訊かれている。《旅館を移動したいきさつは、こういうことでございます。いまも申しましたように、味岡さんは畳の上に這いつくばい、まるめた浴衣で一心不乱に畳を拭いてまわっているところでした。わたしはおどろいて傍にいき、”専務どうしましたか?”というと、味岡さんはびっくりしてその手を止め、何かおびえるような眼でわたしを見ていましたが、”なんだ大石君か”と、いって大きな息を吐きました。わたしだと分かって安心したふうでした。”何かそのへんにこぼれて汚れたのですか。そうだったら女中に云いつけて拭かせたらいいじゃありませんか?””いや、こればかりは女中にたのむわけにはゆかない。自分でやらないと、他人にはわからないからね””何か付着いたんですか?””何がって、君、眼には見えないものだ。それだから困るよ。ぼくは茶碗から卓の上から襖から柱から拭いてきて、畳もこれで三度目を拭いているんだ。それでもまだ拭き残りがあるらしいから、たいへんだよ”
作品分類 小説(長編/シリーズ) 630P×640=403200(312P+318P)
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【帯】難解なトリックに挑む刑事の執念!
味岡の不審な行動を解く五色岩の破片が手繰り寄せた絞殺事件の現場。だが体温を保ち無傷で長距離の死体運搬は可能なのか?卓抜な仕掛けが用意された長篇サスペンスが告発する土建業界の暗部。