題名 | 西海道談綺 五 | |
読み | サイカイドウダンキ 5 | |
原題/改題/副題/備考 | 「西海道談綺 一」・「西海道談綺 二」・「西海道談綺 三」・「西海道談綺 四」・「西海道談綺 五」 | |
本の題名 | 西海道談綺 五■【蔵書No0074】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1977/04/25●初版 | |
価格 | 850 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊文春」 | |
作品発表 年月日 | 1971年(昭和46年)5月17日号〜1976年(昭和51年)5月6日号 | |
コードNo | 19710517-19760506 | |
書き出し | 恵之助は山伏の後ろ姿が向こうの山陰に消えて行くのを眺めていた。片手には山伏から渡された鬼蔦平打簪の摺りもの(拓影)と、一方の手には吹けば鳩の鳴き声がするという竹笛が握りこまれていた。喜助はもとよりわけが分らなかった。だが、山伏と恵之助の間に交わされた問答が何やら重要な意味を持っているくらいは察していた。それも女のことに関係があるらしいのは、摺りものを横目で見ても分かった。それだけに口を出しかねたが、恵之助がいつまでも突立っているので、少し心配になってきた。「旦那。前のところに戻って、お憩みになっては?」すすめてみても、恵之助は返事をしなかった。蒼い顔をして思案にふけっている。その目は据わっていた。滅多にないことなので、喜助はおろおろして、もう一度、そっと同じことをすすめた。 | |
作品分類 | 小説(長編・時代) | 275P×860=236500(1126600) |
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