研究室_蛇足的研究

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2026年06月21日


清張作品の書き出し300文字前後で独善的研究!




研究作品 No_183
火神被殺


〔オール讀物〕
1970年(昭和45年)9月号


ぼくの経験を書く。なるべく簡略な記述ですすめたい。まず、ぼくとは直接関係ない一つの出来事からはじめる。昭和四十年九月のことである。島根県の松江市内で或る事件が発生して、警察が市内の旅館を捜査した。その事件は、この話に関係がないから省くが、警察では宿帳から調べることになった。所轄警察署には各旅館から宿帳−−といっても伝票のような一枚ずつのものだが、その写しを届けさせるようになっている。事件というのは去る五月に起こったので、前から宿帳の名前を捜査員が虱潰しに見ていった。数多い旅館だから係員が手分けして検索した。旅館は四月から六月まではシーズンで、団体客も入るから人名は夥しい。Aという旅館の宿帳の中に、どうも怪しいと思われる客の名前があったので、署員はその旅館に行って元帳を調べることになった。旅館によっては、写しの文字を書き間違えるものがあるからである。
舞台は島根県松江市内。
事件は、昭和40年5月に起こっている。
捜査は、9月頃に始まっているようだ。宿帳を虱潰しに調べている。
その結果、不審者らしい客の存在を発見し、元帳を調べることになった。
4月から6月頃まではシーズンで客も多い。大変な作業だった事が分かる。
松江市は、観光都市でもある。旅館の数も相当なものだろう。



宿泊施設も今では、60近くの数があるようだ。




松江が舞台の作品では、「数の風景」が思い出される。
暗線」・「父兄の指」も松江が登場する。清張の父の思い出話がテーマなので、清張の潜在光景が舞台と言える。
清張作品では、舞台が山陰である場合が多い。清張得意の舞台装置とも言える背景が整っている。