松本清張_文豪_正太夫の舌

題名 正太夫の舌
読み ショウダユウノシタ
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=文豪
●全3話
1.
行者神髄
2.
葉花星宿
3.正太夫の舌
単独作品として登録
本の題名 文豪【蔵書No0202】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ 文庫(文春文庫)
初版&購入版.年月日 2000/06/10●初版
価格 562+税(5%)/古本349=(9+送料340)
発表雑誌/発表場所 「別冊藝術新潮」
作品発表 年月日 1972年(昭和47年)9月号
コードNo 19720900-00000000
書き出し 七月末の日曜日の午後、自分は作製明治三十六年一二月末日現在「本所区全図」なるものを片手に横網町一丁目十七番地の旧所在地を探して歩いた。著作者東京市小石川区原町百三十二番地飯田錦之助、発行所同区関口水道町四十二番地のこの地図は実に精密である。当時の番地は小さな狭い区画であるから、現今のおおまかな番地の広さと違い、碁盤の目のような柳島横川町、緑町のあたりでも、田圃の畦道がそのまま番地の区画になって、犬牙錯綜の向島の地域でも克明に細かい数字が振ってある。で、わりあいに区画の整った横網町一丁目は一から十九番地まで明瞭に出ている。自分は現在の「墨田区詳細図」をもう一枚持って都電を両国停留所で降りた。すぐ右手つまり南側に日大講堂の円い屋根が見える。いうまでもなく前の国技館、昔の回向院あとで、自分の持った明治の地図によると、この回向院と両国橋と都電両国駅とが探す目標の三角点になる。
作品分類 小説(短編) 97P×510=49470
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