登場人物
|
江村宗三 |
Z大学の助教授(教授になる)。兄嫁の美奈子と男女の関係になる。
15年を経て再開する。一度限りの関係であったはずが、「焼けぼっくいに火が付く」。宗三にしてみれば美奈子は都合の良い都合の良い女だった。
不倫旅行の果てに痴話喧嘩から、美奈子は宗三を脅かす女へと変貌する。宗三は身勝手な理屈で美奈子を殺す。 |
西田美奈子 |
宗三の義姉に当たるが、夫(寿夫)の不貞から、別れることになる。弟の宗三と関係を持つが、余りにも軽率で、夫の裏切りに対する復讐とも言えた。
松山で再婚し、洋品店「伊予屋」の女将として歳の離れた夫と暮らしていた。
15年ぶりに宗三と再会するが、その時の行動やその後の関係はむしろ美奈子が積極的にリードしたと思える。
再婚後の美奈子は、自立すべく才能を発揮するが、歳の離れた夫とは精神的にも肉体的にも満足していなかった。長谷徹一とは知り合いだった。
|
西田慶太郎 |
松山の洋品店の主人。美奈子の再婚相手。
美奈子が浮気をしているとは全く気がついていない。行方不明の美奈子の捜索願を出す。 |
長谷徹一 |
宗三の学生時代の親友。東京の新聞社で美術関係の仕事をしていた。
宗三が美奈子と会うために岡山に向かう新幹線で、長谷と宗三は会う。長谷は京都で降りる。
再び長谷は、伊丹空港で宗三と会う。立ち話の最中に美奈子が近づいてくる。美奈子に眼を留めた長谷は「伊予屋」の奥さんと声をかける。
そのすきに、宗三は二人の場所から離れる。長谷は、二人の関係には気づいていなかった。 |
江村寿一 |
宗三の兄。宗三は、寿夫が美奈子と別れ話をする現場に付き添いで同行する。その帰りがけに宗三は美奈子と関係が出来る。
新聞記事から寿夫の元妻美奈子が殺されたことを知る。
父の法事の席で宗三にその事を話す。 |
山口教授 |
江村宗三とは別の大学の考古学の教授。
宗三から「釧」を見せられ驚く。雑誌にその事を投稿する。決定的な傍証となる。 |
橋本警部補 |
山口教授が投稿した、総合雑誌の短文を読み興味を惹かれる。
美奈子の元夫が江村寿夫で、短文に登場する、江村宗三の関係を調べて、美奈子との関係を知ることになる。 |
タクシーの運転手(尾道・池袋) |
東京で宗三が乗ったタクシーの運転手。池袋から荻窪まで乗せるが、道が不案内の運転手は、宗三に間違いを指摘されながら案内されて、送り届ける。
この運転手は、尾道から「内海荘」へ送った人物と同じだった。東京でのタクシーの仕事に馴染めず、故郷の尾道で仕事をしていた。東京での出来事を覚えていた。 |
タクシーの運転手(蓬莱峡) |
「明月荘」から伊丹空港に美奈子と宗三を送る予定で宿を出る。蓬莱峡見物を望んだ二人を蓬莱峡で降ろす。
運転手は、死亡していたが、この出来事を家族に話していた。 |