題名 | 彩り河(上) | |
読み | イロドリガワ_01(ジョウ) | |
原題/改題/副題/備考 | 「彩り河(上)」 「彩り河(下)」 |
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本の題名 | 彩り河(上)■【蔵書No0144】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1983/07/20●初版 | |
価格 | 1200 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週間文春」 | |
作品発表 年月日 | 1981年(昭和56年)5月28日号〜1983年(昭和58年)3月10日号 | |
コードNo | 19810528-19830310 | |
書き出し | 五月十六日の夜九時ごろである。この時刻、首都高速道路霞が関料金所は中だるみといった状態である。十時半になると、料金所は乗用車で混み合いはじめ、十一時から一時までが混雑のピークとなる。銀座のナイトクラブ、キャバレー、バー、飲み屋などの客が帰宅するころだった。ラッシュになると、料金所の入口に車が無秩序に殺到する。ここはブースと呼ばれる赤塗りの、細長い、ちょうど列車の車輌のような通行券授受施設が四つある。内回り線に二つ、外回り線に二つ、そのいずれも全開となる。車の群れは南の官庁街の坂道を上がってくるのと、さらに東の有楽町方面から国会議事堂前を回ってくるのとがある。車の四つの川がゲートの前で合流して溜まり、洪水のようになる。ドライバーたちは一秒でも早く料金所の前に近づこうとひしめき合う。その前方がトンネルに入る下り坂となっているので、あたかも狭い下水管の入り口に溢れた水が少しずつ奧へ吸い込まれて行くぐあいだった。料金所の年とった係員がてんてこ舞いする時間帯である。 | |
作品分類 | 小説(長編) | 837P×630=527310(421P+416P) |
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