題名A | 雀一羽 |
読み | スズメイチワ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37〕 【重複】〔(株)角川書店=潜在光景(角川ホラー文庫)〕 |
本の題名 | 増上寺刃傷■【蔵書No0195】 |
出版社 | (株)講談社 |
本のサイズ | 文庫(講談社文庫) |
初版&購入版.年月日 | 2003/01/15●1987年1月に収録されたもをあらたに大活字、新装版として刊行 |
価格 | 619+税(5%) |
発表雑誌/発表場所 | 「小説新潮」 |
作品発表 年月日 | 1958年(昭和33年)1月号 |
コードNo | 19580100-00000000 |
書き出し | 元禄年間のことである。内藤縫殿忠毘は御書院番士で、五百石を領する旗本であった。性来、木訥で実直である。常から忠勤を励んで、少しくらいの病気では欠勤したことがない。いかにも御役目大事と謹直に出てくる。いつぞや瘧を患った時などは、熱のある赭い顔をして押して出て来て、皆を愕かしたことがあった。組頭はもとより、相番の者にも受けがよかった。営中の虎の間、柳の間、玄関前、中雀門、番所といった受けもちの場所を丹念に見廻りし。少しの懈怠が見えない。のみならず、新参の者には殊のほか親切に世話した。えてして古参の者は新参の輩に意地悪く当たり勝ちであるが、内藤縫殿に限って誠に行き届いた指導をするのである。自然と人々は縫殿を尊敬するようになった。縫殿は人望を蒐め、上からも属目されて次第に加増され、元禄七年の春には石高千二百石、御書院番組頭に挙げられ、布衣(六位)を仰せつけられた。 |
作品分類 | 小説(短編・時代) |
検索キーワード | 生類憐の令.焼き鳥.鳥黐(とりもち).元禄.柳沢吉保.御書院番.乱心.家督.白髪.御役御免 |