題名A | 発作 |
読み | ホッサ |
原題/改題/副題/備考 | 【重復】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37〕 【重復】〔(株)角川書店=潜在光景(角川ホラー文庫)〕 |
本の題名 | 共犯者■【蔵書No0135】 |
出版社 | (株)新潮社 |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) |
初版&購入版.年月日 | 1980/05/25●51版2002/06/05 |
価格 | 514+税(5%) |
発表雑誌/発表場所 | 「新潮」 |
作品発表 年月日 | 1957年(昭和32年)9月号 |
コードNo | 19570900-00000000 |
書き出し | 田杉は十時すぎて眼をさました。暖かいと思ったら、カーテンの合せ目の隙から射した陽が首の上まで来ていた。今日も暑そうな天気であった。六畳一部屋が、本だの古新聞だの茶碗だの果物の皮だので、足の踏み場がなかった。田杉は、便所に行くためドアをあけると、挟んであった新聞がばさりと落ちた。その下に白い封筒がのぞいて見えた。上書きの字だけで、どこから来たか一目でわかった。朝のながい小便をしながら、読まないでも知れている手紙の内容のことをぼんやり思った。廊下では、掃除しているよその部屋の女房が、歩いている田杉のだらしない恰好を、斜めに見送った。田杉は新聞を拾い上げて、もう一度床の中に寝転がると丹念に読み出した。べつに興味はなかった。興味がないから裏表を二度繰りかえして読んだ。頭に何も残らないのだ。それからようやく封筒を指につまんだ。 |
作品分類 | 小説(短編) |
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