題名 | 天保図録(下) | |
読み | テンポウズロク_2(ゲ) | |
原題/改題/副題/備考 | 「天保図録(上)」 「天保図録(下)」 |
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本の題名 | 松本清張全集 28 天保図録(下)■【蔵書No0110】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1973/11/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊朝日」 | |
作品発表 年月日 | 1962年(昭和37年)4月13日号〜1964年(昭和39年)12月25日号 | |
コードNo | 19620413-19641225 | |
書き出し | 水野越前は、すでに天保一二年の暮れに十組問屋の廃止を政令で発した。菱垣樽廻船という商船問屋や、十組問屋の仲間株札を廃して、その冥加金一万二百両を免除し、従前の規定にかまわず、船主、荷主相対(相談ずく)で便利の船に積み込んでよろしい、右の廻船に積み込んできた商品は誰でも勝手に相対で売買し、何商売にかかわらず新たに開業すること勝手たるべし、と改めた。これはずっと前にも書いたように、江戸の市民が年々物価高で困却するのは、ひっきょう、各商売の同業組合があって生産地を独占し、売買価格を自分らの都合のいいように操作するからだと解釈しての禁令だった。これは、天保改革令の中でも大きな問題で、江戸市内の経済界を攪乱した。商人たちは水野忠邦を憎んだくらいである。十組といっても、これは元禄七年にはじめて、太物、小間物、綿店など十種類に限られていたが、その後組合数が増して、天保の禁令が出たところは六十五組に及んでいる。つまり、商品のほとんどが同業組合の独占になっていたわけであるから、経済界の混乱が来たのも無理はない。 | |
作品分類 | 小説(長編・時代) | 889P×1000=889000(437P+452P) |
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