松本清張(1004)_賞

題名
読み ショウ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集36〕
本の題名 延命の負債【蔵書No0017】
出版社 (株)角川書店
本のサイズ 文庫(角川文庫)
初版&購入版.年月日 1987/06/25●初版
価格 380
発表雑誌/発表場所 「新潮」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)1月号
コードNo 19570100-00000000
書き出し 私が粕谷侃陸という名を知ったのは、随分前からであった。この人の著書は、かなりな古本屋なら殆ど置いている。私の見る限りでは、たいていは棚の上の方の、天井近いところにならべて埃を浴びていた。手も届かないそんな高いところにある本は、あまり動きそうもない品であろうか、粕谷侃陸の書物がそういう種類の地味なものらしかった。彼の著書は二つあって、一つは千ページ近い厚さで上下からなる「古社寺願文の研究」という戦前出版の大部なものと、一つは戦時中に出した二百ページぐらいの「古社寺蔵の古文書」という小型のものとである。厚い二部の方は、戦前でも豪華な出版らしく、古代染色の文様を模した布製の装幀で、いかにも落ちついた重量感のあるものだが、もう一つは戦時中のせいもあってか、比較にならぬ薄っぺらな貧弱な本だった。私の眼に触れる彼の著書は、この二冊だけであった。
作品分類 小説(短編) 18P×600=10800
検索キーワード 古本屋・古文書・学士院賞受賞・詐欺・地方都市