松本清張_ミステリーの系譜 第四話 二人の真犯人

〔(株)文藝春秋=全集9(1972/08/20):【ミステリーの系譜】第三話〕

題名 ミステリーの系譜 第四話 二人の真犯人
読み ミステリーノケイフ ダイ04ワ フタリノシンハンニン
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=ミステリーの系譜
●全5話
1.
闇に駆ける猟銃
2.
脱獄
3.
肉鍋を食う女
4.二人の真犯人
5.夏夜の連続殺人事件
●全集(3話)
1.
闇に駆ける猟銃
2.
肉鍋を食う女
3.二人の真犯人
本の題名 松本清張全集 7 別冊黒い画集・ミステリーの系譜【蔵書No0079】
出版社 文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1972/08/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「週刊読売」
作品発表 年月日 1967年(昭和42年)12月22日号〜1968年(昭和43年)2月16日号
コードNo 19671222-19680216
書き出し 死刑廃止の是非は早くから論じられている。廃止論者の云うところは、犯罪に対しての刑罰には「応報」の意味があるという考え方は、刑を以て特別予防の具にするという考えと共に人類の文化の発達に伴わない錯誤であると云っている。また、死刑は、どの程度の犯罪までが無期懲役に当たり、どの程度までが死刑に値するのか、その刑罰の差異についての価値判断は、人力では不可能だし、矛盾があるといわれている。また、死刑は犯罪人に対してかえって反抗を挑発するとか、死刑は社会に対して何ら威嚇の意味を持つものではないと云っている。だが、誰もが挙げる反対理由に、「死刑は恢復することができない」という一条がある。すなわち、死刑に処した後で真犯人が現れた場合、処刑者の蘇生は不可能であるから、死刑は危険だというのである。刑罰を云い渡すのは人間で、人間の判断は全知全能の神のそれではないから、このような重大な過失を犯した場合の恐怖を指摘するのである。
作品分類 小説(中編/シリーズ) 59P×1000=59000
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