(原題=氷の燈火)
題名 | 山峡の章 | |
読み | サンキョウノショウ | |
原題/改題/副題/備考 | (原題=氷の燈火) | |
本の題名 | 山峡の章■【蔵書No0040】 | |
出版社 | (株)光文社 | |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) | |
初版&購入版.年月日 | 1965/08/25●108版1976/04/01 | |
価格 | 580 | |
発表雑誌/発表場所 | 「主婦の友」 | |
作品発表 年月日 | 1960年(昭和35年)6月〜1961年(昭和36年)12月 | |
コードNo | 19600600-19611200 | |
書き出し | その一年前、朝川昌子は女子大を卒業した。一人で九州を旅行してみたいというのがかねての望みだったが、それが在学中には実現せずに、学校を出てから初めてかなえられたのである。それは、春から夏に移る時期だった。福岡に親戚があったので、そこを足がかりとして歩いた。最初が阿蘇だった。熊本から立野駅までは退屈な眺めだったが、それを過ぎると、にわかに阿蘇の高原がひろがった。噴火口を見て、その晩は、阿蘇の麓に泊まるつもりだった。温泉は幾つもあったが、それはたいてい山麓の平原と渓谷に跨っていた。昌子は、わざと寂しい中腹にある温泉宿を選んだ。そこは、宿が三件しかなかった。一軒は近代的な大きなホテルだったが、彼女は、日本風の旅館にはいった。一つはその旅館がひなびていて、小さかったからだし、そんな宿に泊まってみたいのが今度の旅の計画だった。 | |
作品分類 | 小説(長編) | 257P×710=182470 |
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【カバー】若手の経済官僚・堀沢は、安泰な出世コースを求めて、上司との交際に神経を使っていた。その一方、陳情にくる民間人へは、慇懃な中にエリート意識をあらわにする。妻の昌子にも彼のすべてを表さない。−−−その結婚生活は充実なく、平穏だけのものだった。忍従する妻・・・。だが、平穏な家庭生活は突然崩壊・・・夫と妹が、仙台・作並温泉付近で死体となって発見された。新聞は”情死行”を伝えるが、山峡で二人の荼毘の火を見つめて、妻・昌子には、”情死”が信じられない・・・意外な陰謀の渦が迫る。 |