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素不徒破人 『実録・家系図』 |
● なぜ『実録・家系図』を書き始めたか! 清張の作品は、小説でも五〇〇作品程度有ります。 私はホームページの中で、現在160作品を超えた程度紹介しています。 その中で、自叙伝的な作品と言われる「骨壺の風景」・「田舎医師」・ 「父系の指」・「暗線」に行き当たりました。 清張の自叙伝としては、本人も自叙伝としている「半生の記」があります。 「半生の記」を含めて、清張の父『松本峯太郎』が出てきます。 勿論、本人がそのままではなく、それらしき人物や、別名で登場します。 これについては、「半生の記」のあとがきで 私は、自分のことは滅 多に小説 に書いては 居ない。 いわゆる私小説というのは私の体質 に合わ ないのである。 そういう素材は仮構の 世界につくりかえる。 そのほう が、自分の言いたいことや感情 が強調されるように思える。 それが小説の本道だという気が する。 独自な私小説を否定するつもりはないが、自分の道とは 違うと思っている。 それでも、私は私小説らしいも のを二、三編くらいは書いている。 が、結局は以上の考えを確 認した結果になった。 と記述している。「仮構」と表現しているように、虚実織り交ぜて、小説として書いているようだ。私も自叙伝的作品と言われる作品の最後に、真実であろう、自叙伝の「半生の記」を読んだので、登場人物には戸惑ってしまった。その中で、 松本峯太郎の生涯・出生の秘密に大変興味を持ちました。それは、私の父の生涯に対する共通点を読み取ったからでした。 家系図の作成を思い立ち、本籍地から戸籍謄本を取り寄せてみました。 以上が、戸籍調べの始まりでした。 結果、その深みにはまり込んだのでした。 『○○の戸籍』と題する文章を書き上げました。 すべて実名で書いています。それは、私の兄弟へ向けての文章だから問題ないと判断したのでした。事実経過に対して、思い込みや、空想もまじえての文章になりました。『○○の戸籍』は、改定を重ねて、決定版を兄弟へ送りました。 この、『実録・家系図』は、思い込みや、空想をできるだけ排除しました。ですから、『実録』が相応しいと思っています。もし私に小説にする能力があれば、原案に出来るのではとも考えています。 何処かで事件でも起きれば小説になるのでは... 私にはその能力はありません。 『○○の戸籍』の○○は、父の名前です。 2025/04/21 |
@「姪孫」![]() 私は、柴崎タネの姪孫です。 私が「姪孫」と言う言葉を知ったのは、私の父柴崎謙二の戸籍を調べ始めたときでした。 「姪孫」とは、甥姪の子(兄弟姉妹の孫、孫の再従兄弟姉妹)、またはその配偶者(甥姪の婿・嫁)である。 又甥・又姪(またおい・まためい)らしいのです。 柴崎タネは、私の大伯母です。つまり、祖父の姉です。祖父は、三人兄姉で末っ子でした。(タネ・松市・伝治) 家系を言葉で説明するのは難しいものです。特に関係者で無ければイメージすることが困難です。 家系図で示せば少しは、理解しやすいと思います。 理解して戴けるでしょうか? 「姪孫」を知ったのが、父の戸籍を調べ始めたときだと書きましたが、父の戸籍謄本上に姪孫の文字を見つけたのです。意味を調べました。戦前の戸籍謄本では時々出てくる言葉のようです。父の戸籍は姪孫で始まっていました。 勿論、父は、既に死亡していますが、十八歳の時、戸籍上柴崎ナツの籍に入籍していました。ナツは六十九歳でした。戦前の戸籍ですが、当時代々の家督を相続したのは、父の父(私の祖父/伝治)の兄(松市)でした。 大伯父の松市が戸主でした。 当然戸籍は戸主を筆頭に書かれていて、弟の子(甥)が父の立場でした。 戸籍上は、少し複雑な動きがありましたが、結果柴崎ナツの戸籍に入籍していたのです。 それでは、柴崎ナツはどのような人物なのか説明しなけれなりません。 家系図で説明します。父から見れば大伯父に当たる人物(兄)に妹がいました。「大叔母」と呼ぶのかも知れません。大叔母からすれば、兄の子(甥)の子(父)で、姪孫になるのです。 父が柴崎ナツ籍へ入籍したときは、ナツは離婚して、家系図で言えば大伯父の籍に入籍していたのですが分家して独立した戸籍を持っていました。謂わば後取りとして謙二は入籍したのでした。 戦前の戸籍法については、ほとんど知識がありませんが、「姪孫」という親族関係であれば、入籍させることは簡単だったようです。謙二は未成年ですし、親(伝治)の承諾があれ問題なかったと思えます。親(伝治)承諾は勿論、戸主である松市の承諾も必要だったかも知れません。 何れにしても、当時は戸主が絶対的な権力があった時代でしょうから、ナツの分家を含めて、謙二のナツ籍への入籍は、松市の主導だったと言えるでしょう。 それでは、柴崎タネと私の関係はと言えば、父謙二と柴崎ナツの関係にうり二つです。 戦後の話になるので、私の戸籍上の立場は、両親の子供としてそのままの立場が、記録上も残っています。 不思議な一致という意味では、タネも離婚して、私から言えば、大伯父(松市)の籍に入っていました。これまでに説明していた通り、タネは、大伯父の姉に当たりますが、戦後も家督相続した弟(大伯父/長男・松市)の籍のママでした。 私はこのことを突然自覚しました。 何の脈絡も無く父と似たような境遇だったのだと、改めて感じたのでした。 「何の脈絡も無く」とは、いささか面はゆい気がするのです。それは、父謙二の戸籍を調べて家系図でも作ろうと行動して、一応完成させていたからです。 運命論とか、因縁とか、偶然の出来事から関連性や因果関係を見いだすことが好きです。 これは、好きと言うだけで、その信奉者ではありません。むしろ否定的に考える立場に身を置く者です。典型的な例をお話します。 父の法事の時の話をします。 2025/03/21 |
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A「法事へ出席」 【小説 家系図としてスタートさせましたが、『 実録・家系図』と改名】 この小説もどきは、私の語りとして話が進みます。 私には東京に住んでいる兄夫婦がいます。 父の法要の為、数年ぶりに郷里に帰ることになりました。私は神奈川県に住んでいるのですが、郷里に帰ることは何も相談していませんでした。 兄夫婦も帰ることは知っていましたが、どのような手段で帰るかは知りませんでした。帰郷の手段としては、飛行機か新幹線で、私は通常なら新幹線を利用していましたが、今回は羽田発の飛行機で帰る予定でした。 搭乗して飛行機の座席に着いて驚きました。 記憶は曖昧ですが、中央の3列シートでした。そこで兄夫婦に会ったのです。 兄夫婦とは相談はしていませんが、法要に出席するという目的は同じだったので、同じ時間帯の飛行機を利用する可能性は高かったと思います。 偶然ではありますが、日時から考えて、無関係の場所に向かうのとは少し事情が違います。しかし同じ列の席に座るとなると可能性はかなり低くなります。 法要の席では、「亡き父の引き会わせ」などと、無難な話で終わりました。私は天邪鬼的な性格なのか、確率論的には、それなりの確率があるように考えたものです。 さらに、人為的な可能性を考えました。 空港で搭乗手続きをするとき、座席の指定は特にしませんでした。航空会社が、座席指定時に名字の一致から同じ席を振り当てた可能性を考えました。席は満席状態でしたから振り当てるについて、何らかの考慮があったのでは・・・と、穿った見方をしたのでした。 もう一つ例を挙げます。 この小説もどきは、実在する戸籍謄本を下敷きに書いています。 家系図作成の為に、父方と母方の戸籍謄本を取り寄せ調査した内容が全てです。 その中で誕生日の一致を見つけることが出来ました。 祖父の誕生日と伯父の誕生日と私の誕生日が一致しているのです。偶然の可能性は大いにあると思いますが、私の誕生日には秘密があり、戸籍上の誕生日と実際の誕生日は違うことを母から聞かされていました。 すると、私の誕生日は人為的に何らかの目的を持って決められた。 届けられた可能性があると言うことになります。 法事の話とは別な話になりますが、世の中には不思議な話があるものです。 柴アナツと柴アタネの共通点は、この話の肝になると思うので、もう少し説明します。 二人は六十歳を前後して婚家から離縁されています。現代的な表現をすれば離婚ですが、ナツは再婚で子供は出来ませんでした。戸籍謄本から見えるのは、夫に先立たれ、代替わりした結果、子供のいないナツは、実家に帰されたと読み取れるのです。子供が出来なかったとは言え、六十歳を過ぎた老女を実家に帰すことの残虐性を感じてしまいます。 タネはどうだったのでしょうか? タネも子供が出来ませんでした。五十七歳で離婚です。二十一歳で結婚していますから、36年間の結婚生活です。 ナツにしてもタネにしても、自立していた女性とは言えません。二人は農家の嫁ですから、特に経済的には自立できていません。二人が実家である松市の籍に入籍していることでも理解出来ます。 タネは松市の籍に入籍後、松市の妻(フユ)が死亡してから、戸籍上は姉弟だけの戸籍となっていました。戦後になってから、松市とタネは同じ年に亡くなっていますから、戸籍は廃籍となっています。 一方、ナツの戸籍は謙二が家督相続して、戦後も独立した戸籍として受け継がれています。私の兄に当たる二男が今でも引き続き守っています。 家督相続した松市の戸籍ですが、相続した時点では、祖母(ヨシ)・母(ハナ)・姉(タネ)・弟(伝治)、松市を含めて5人家族でした。叔母のナツは既に結婚していました。 柴ア家(松市)は、先々代(松吉)が建てたであろう、それなりの大きさの茅葺きの家屋がありました。 ヨシが死亡、タネが結婚で、松市が十六歳で相続した後では3人家族になります。それからの柴ア家は・・・まだ書き切れない変遷を続けます。話の前提が長くなりましたが、前提は別の角度からさらに続くのです。 柴ア家を相続した松市は、二十七歳で結婚します。 2025/04/21 |
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