没後23周年記念

追悼記事の考察


2015年08月04日 登録

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新聞社  記事(タイトル&サブタイトル)  主要な紹介作品  ●主な追悼者 
朝日新聞@
−A−
−B−

● 松本清張氏が死去
社会派、精力的な執筆
推理小説で脚光 古代史や現代史にメス


● 社会の暗部に推理の眼光
「国民的作家」ヒット数々
「がんと知らずに安らかに」
「点と線」「砂の器」...そして「日本の黒い霧」
「古代史擬」


● 清張さん語録
年をとるほど生々しく/文章は材料本意
/上からの同情は差別

●下積みで磨いた「反骨」
弱者に共感 権力に怒り
張込み
点と線
●砂の器
●日本の黒い霧
●古代史擬

 
●水上勉
●橋本忍
●結城昌治
●佐野洋
●中島河太郎
●江上波夫
●吉田満
●陳舜臣
●佐藤忠男

清張とも関係が深かったからか、充実した記事である。「松本清張氏死去」と「氏」での見出しで
報じたが、「さん」とした、読売、毎日、産経
グループと東京、赤旗、日経の色分けは微妙
である。清張語録は朝日の特徴か?
讀賣新聞@
−A−
−B−
● 松本清張さん死去
社会派推理小説の巨匠 古代史にも望む

● ”人の相克”鮮やか「松本文学」 
清張さん死去 壮年からの創作活動
「動機」についてファン魅了

● 推理に「日常性導入」
松本清張氏を悼む 佐野洋
 
 
点と線
●ゼロの焦点
●西郷札


●生島治郎
●中島河太郎
●野村芳太郎
”人の相克”鮮やか「松本文学」は、鮮やかな
評価であろう
小見出しで、「動機」についても言及している。
 
毎日新聞@
−A− 
● 松本清張さん死去
社会派推理から古代史まで

● 昭和の暗部に鋭い眼
「黒い霧」流行語に 760にも及ぶ生涯著作
日本文学に「清張以後」生み出す
 
点と線
●砂の器
●日本の黒い霧 

●阿刀田高 
「昭和の暗部に鋭い眼」が、朝日の「社会の暗部
に推理の眼光」と、暗部・眼が共通している。
著作を760と言及しているが、対談や講演などを
除けば、概ね800近い著作であろう。
「清張以後」はまさしく、清張亡き後を適切に
表現していると言える。
東京新聞@
−A−
● 松本清張氏死去
『点と線』『ゼロの焦点』『砂の器』

● 社会を直視 幅広く活躍
推理小説に一時代を築く
民衆の側に立つ
創価学会と共産党の和解を仲介
政治の世界でも一躍脚光
 
点と線
●ゼロの焦点
●砂の器
 
●三好徹
●野村芳太郎
●黒岩重吾
●江上波夫
●若尾文子
「政治の世界でも...」は東京新聞の特ダネ。
他の新聞でも取りあげられているが、小見出し
は東京新聞だけ。
社会的な面での活躍を高評価か?
 

産経新聞@

−A−
 
 
● 松本清張さん死去
社会派推理小説の巨匠
「点と線」「ゼロの焦点」「日本の黒い霧」

● ミステリーに新時代
  権力や組織悪を暴く
直前まで創作意欲は衰えず
 
点と線
●ゼロの焦点
●日本の黒い霧
 
●中島河太郎 
あまり特徴のない内容。
直前までの創作意欲...は日経と同趣旨。
 
日経新聞  松本清張氏死去
● 推理小説に新境地
晩年までおう盛な創造力 
点と線
●砂の器
●日本の黒い霧
  
●佐木隆三
●橋本忍
●森英恵
晩年までのおう盛な...は産経と同趣旨。
なぜか、産経と日経が似た記事になっている。
 しんぶん赤旗 ● 作家の松本清張氏死去
宮本議長がコメント
西郷札
或る「小倉日記」伝
張込み
点と線
眼の壁
ゼロの焦点
小説帝銀事件
日本の黒い霧
深層海流
現代官僚論
昭和史発掘
日本の黒い霧
古代史擬
※弔電
宮本顕治中央委員会議長不破哲三幹部会委員長
志位和夫書記局長 
政党機関誌だけに、さっぱりしたタイトル。「作家の松本清張氏」が少々気になる、なぜわざわざ「作家」と書いたのだろうか?
宮本議長のコメントは、さすがに「共創協定」に触れているが、晩年の政治に対する興味を失った点に触れている事が特徴的だ。
作品はまんべんなく取り上げている。
が、小見出しとしては取りあげられていない。
 
新聞社  記事(タイトル&サブタイトル)  主要な紹介作品  ●主な追悼者 
★全体の感想★ 

記事は、大きく分けて「松本清張氏死去」と「松本清張さん死去」に分けられる。
「氏」と「さん」では受け取り方が違う。
客観的な死亡記事としては「氏」でもよいのだろうが、「さん」にすることにより
より親しさを演出していると言える。
キーワードは「社会派」「巨匠」「推理小説」など挙げられるが、
【清張以後】【動機】【暗部】【創作意欲】は清張の特徴を的確に表現していると言える。



主要な紹介作品は、「点と線」が全てに共通している。
続いて「砂の器」「ゼロの焦点」「日本の黒い霧」
記事内の紹介作品は多岐にわたり、新聞各社を特徴付けるものはない。



追悼者には、さすがに『松本清張事件簿(パンドラの過去)』に取りあげた人物は登場しない。

 

【松本清張の蛇足的研究】
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