松本清張_状況曲線(上)(【禁忌の連歌】第二話)

(株)新潮社状況曲線(上)(1988/09/25):【状況曲線】〕

題名 状況曲線(上)
読み ジョウキョウキョクセン(ジョウ)
原題/改題/副題/備考 ●シリーズ名=禁忌の連歌
●全4話
1.
渡された場面
2.状況曲線/状況曲線(上)状況曲線(下)
3.
天才画の女
4.黒革の手帳/
黒革の手帳(上)黒革の手帳(下)
(株)新潮社=状況曲線(上)
本の題名 状況曲線(上)【蔵書No0081】
出版社 (株)新潮社
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1988/09/25●初版
価格 1200
発表雑誌/発表場所 「週刊新潮」
作品発表 年月日 1976年(昭和51年)7月29日号〜1978年(昭和53年)3月9日号
コードNo 19760729-19780309
書き出し 六月の十日であった。都心のガード下に沿った狭くて細長い地帯に走る路地は、ちょっとした迷路となっていて、屈折したり行きどまりになったりしている。そのようなガード下、区域的には有楽町と大手町の中間とでもいうか、やはり迷路じみた中に、すし屋とバアにはさまれた狭い間口の喫茶店があった。樫材に擬せた重々しげな赤黒色のドアには鍍金した獅子の頭だけの彫刻が貼りつけられ、その上に『DATE』と白の彫り文字が按配されていた。この店名を見て同じ綴りから「逢引き」と早呑み込みする者があるかもしれないが、金色の獅子頭がそぐわないから首を捻ろう。相応ないのも道理、デートでも店主の意は棗椰子の実である。さてこそ熱帯に生い繁る棗椰子の密林にライオンの頭が浮かんでくるわけだが、どうして棗椰子を店の名にしたかわからぬ。あるいはこのガード下の細長い地帯の迷路じみた小径をジャングルの小径になぞらえたのかもしれぬ。
作品分類 小説(長編/シリーズ) 630P×640=403200(312P+318P)
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