松本清張(1017)_喪失

題名 喪失
読み ソウシツ
原題/改題/副題/備考 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集36〕
本の題名 青春の彷徨【蔵書No0066】
出版社 (株)光文社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1964/04/20●7版1978/12/20
価格 580
発表雑誌/発表場所 「新潮」
作品発表 年月日 1956年(昭和31年)3月号
コードNo 19560300-00000000
書き出し 男も女も職業をもっていた。田代二郎は運送会社の会計係を勤めて一万五千円を貰う。この月給で妻と子ひとりを養っていた。桑島あさ子は小さな製薬会社の事務員として八千円の給料をとっていた。それで田舎の母のもとに預けてある子供の養育費として千円送り、二千円をアパート代に払い、五千円で生活していた。男は二十八歳の家庭持ち、女は同じ歳で夫を五年前に失っていた。二人の間はあさ子が姉ぶってふるまい、切りつめた金のなかから男の靴下など買ってやり、ふだん粗食しているかわりに男の泊まりにくる夜は牛肉や刺身を彼に食わせた。時には男のせがむままに五百円、六百円の金を与えることもあった。
作品分類 小説(短編) 18P×680=12240
検索キーワード 三角関係・相互銀行・嫉妬・運送会社・製薬会社・愛人・生活