松本清張(1018)_延命の負債

題名 延命の負債
読み エンメイノフサイ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 延命の負債【蔵書No0017】
出版社 (株)角川書店
本のサイズ 文庫(角川文庫)
初版&購入版.年月日 1987/06/25●初版
価格 380
発表雑誌/発表場所 「小説新潮」
作品発表 年月日 1977年(昭和52年)9月号
コードNo 19770900-00000000
書き出し 村野末吉は若いときから心臓がよくない。ときどき胸がしめあげられるように痛む。どの医者も僧帽弁に狭窄があるといった。病名は自分でもわかりすぎているので、注射をしてもらったりして帰る。思い切って手術をしませんか、と医者はすすめた。手術は人工弁の入れかえだという。十年前まではそんなことはいわれなかった。医術の発達である。入院すればどのくらいで退院できますかときくと、一か月半もあれば充分でしょうといわれた。むろんそれだけの設備と、内臓外科に熟達した医者をもつ大きな病院でないといけないという。一か月半の入院とは末吉にとって現実ばなれした問題で、長いあいだのこれまでどおりのやりかたで薬を飲んで心臓をかばい、万一の発作時にそなえてニトログリセリンの薬を携帯して働く生活をつづけた。
作品分類 小説(短編) 16P×600=9600
検索キーワード 印刷工場・下請け・心臓手術・特別室・オフセット印刷・病院長・設備投資・倒産