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組み合わせ自由/「〜な○○」

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清張作品の題名は「黒の...」とか「霧の旗」・「波の塔」など「の」が多く使われている。

ぼんやり題名の特徴などを考えていたとき、その特徴を整理してみようと思い立った。

まさに蛇足的考察である!


No004 04/04/04 【組み合わせ自由/「〜な○○」】

危険な広告」・「危険な斜面」・「不安な演奏」・「典雅な姉弟・「小さな旅館」・「奇妙な被告

不運な名前

「危険な広告」が、1954年(昭和29年)6月号/「オール讀物」《短編》(未購入)

「危険な斜面」が、1959年(昭和34年)2月号/「オール讀物」《短編》

「不安な演奏」が、1961年(昭和36年)3月13日号〜12月25日号/「週間文春」《長編》

「典雅な姉弟」が、1961年(昭和36年)5月号/「婦人公論」《中編》

「小さな旅館」が、1961年(昭和36年)7月/「週刊朝日別冊」・緑陰特別号《短編》

「奇妙な被告」が、1970年(昭和45年)10月号/「オール讀物」《短編》

「不運な名前」が、1981年(昭和56年)2月号/「オール讀物」《短編》
(未購入)

「〜な○○」は、もう少し多いと思ったが、案外に少なかった。

それも、7題あるうち、1961年に3題である。

そして、なぜかその3題以外、残りの4題は「オール讀物」での作品である

「典雅な姉弟」は
【影の車】の五話である。

「不安な演奏」以外は短編・中編である。そして「不安な演奏」だけが抽象的な題と

いってもいいだろう。

前回(【
真贋・果実・証言・混声/「森」】)で書いたが、

短編の題は内容を表した物が多く、長編で、連載物は抽象的な題になりがちである。

ここでも証明された(?)。

二つの言葉の組み合わせは、自由

「危険な演奏」・「奇妙な旅館」・「不運な姉弟」なんてどうだろう。

「〜な○○」や、最も多いであろう「〜の○○」は四文字熟語的で、おぼえやすく、

二つの言葉を並べて、形容、対比で作る題は清張的な題の付け方のような気がする。

2003年4月4日記