登場人物
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川島留吉 |
山陰地方の学校を卒業し、東京の私大を卒業して官庁の役人になる。エリートコースからは逸れているが、地方では出世頭である。
暇な部署であるが、課長補佐として無難に勤めている。妻の純子と二人の子供がいて、官舎で暮らしている。
酒も飲まずに真面目な男だったが、チッョトした切っ掛けで、麻雀を始める。下手の横好きで、深みにはまる。手慰み程度の役所の麻雀と決別するつもりが、浜岡に誘われてレートの高い麻雀にのめり込んでいく。故郷の山林を売却することをただ一つの頼りに借金地獄に転落する。心の中に巣食う「弱気の虫」が災いする。 |
田所勇造 |
浜岡の麻雀屋に出入りする土建屋の男。近藤とは正反対、赭ら顔のでっぷりした男。四十ぐらいで声の大きい男。
浜岡の麻雀屋の中心人物で、近藤や鶴巻らと組んで、川島をカモにしているようだ。ボス的存在。
浜岡の女房の加代子にちょっかいを出して墓穴を掘る。。 |
鶴巻良一 |
小さな会社の役員。背のすらりとした、、面長の顔の男。眼鏡を掛けて、知的な感じで、三五,六歳。
女を連れて麻雀屋に現れるなど、見かけとは違ったやさぐれたところがある。川島に最初の麻雀の貸しを取り立てに来る。それも女連れ。 |
近藤五郎 |
室内装飾屋。痩せた小男。顔色は蒼く貧相である。四十近い年配。
気弱そうだが、それが押しの強さにもなり、川島は手を焼く。 |
浜岡広治 |
役所の外郭団体の職員。新築の一軒家を建て、副業として二階で麻雀屋を始める。妻の加代子名義で店を始める。
もともとは、川島の各所での麻雀仲間。役所の麻雀はレートは低いがインチキがあると川島に教える。
巧みに川島の関心を引きつけ、自宅の麻雀に誘う。自宅の麻雀やでは、川島がメンバーになると、自身は参加しなくなる。
妻の加代子は、夫が小説家を目指している様なことを話す。 |
浜岡加代子 |
浜岡広治の妻。麻雀屋を切り盛りする。愛嬌のある女で、田所などちょっかいを賭ける。川島も加代子に興味を持ち浜岡の麻雀屋へ通うことを楽しみにしていた。
見かけは、田所のちょっかいは適当に躱しながら、川島には親切に対応する。加代子の本心の記述は無い。
殺されるが、話の展開ではドンデン返しになりる。 |
加藤 |
役所での川島の麻雀仲間。
川島相手では、インチキもするし、見下すような発言もして嫌みな男である。
趣味も教養もない男で、麻雀だけが唯一の楽しみの男と川島は見立てている。
役所の麻雀に遠のいた川島を麻雀に誘うが断られる。浜岡の始める麻雀屋には行かない方が良いと釘を刺した。 |
横井 |
川島の、役所での麻雀仲間。加藤と同様。
「君のような下手な人間が他流試合をすると大怪我をする。早いとこやめたほうがいいな。」と、ズバリ川島に忠告した。 |