登場人物
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末永甚吉 |
印刷職人。小田原に住むが、郷里の阿夫里に帰って竹内活版所に勤める。母の末永セイが、池浦源作に殺されたと、告発のチラシを配布する。
告発の内容は、多少狂人じみているが、真実に迫る具体性を帯びている。
始は池浦源作から精神異常者扱いをされるが住民には真実ではないかと好奇の目を向けられる。池辺金次郎や活版所の主人など協力もあり源作に迫る。
したたかな、源作にあしらわれ、目的を達すること無く殺される。
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末永セイ |
末永甚吉の母。前夫の殉職で多少の小金を持っていた。甚吉と妹を連れて池浦源作の後妻となる。
池浦源作の暴力に耐えきれず子供を残して、兄の鈴木初太郎の所へ身を寄せる。説得され源作の元に戻るがその日に殺されたようだ。
子供の甚吉は、初太郎の家に引き取られる。妹は、源作の家に残りに17歳になると女郎として売られる。 |
池浦源作 |
末永甚吉に殺人お疑いを掛けられる。甚吉は後妻だった末永セイの連れ子である。源作は次々と小金のある女を後妻に迎え余り評判の良くない男だった。
甚吉の告発にも狂人の言うことなど聞けないと、殆ど無視をしていた。甚吉の告発通り家の床下を掘らせるが何も出てこない。
勝ち誇ろ源作に住民も納得せざるを得ない。蜜柑畑を持ちそれで生活しているようだ。今は、村岡とも子と生活をしている。 |
竹内武雄 |
竹内活版印刷所の主人。おとなしく少し変わったところのある甚吉だが、面倒を見ている。
甚吉には好意的で、見方をしているが気が弱くて、甚吉に振り回される結果になっている。 |
池辺金次郎(金ちゃん) |
金ちゃん。甚吉の幼なじみで最後まで甚吉に協力的だ。甚吉の母の末永セイの大島紬の件でも甚吉に情報を提供する。
池浦源作に最後まで疑いを持っていて、現場を突き止めることになるが、脅迫されて、道を踏み外す。甚吉の良き理解者とも言える。 |
八田俊作 |
(果実出荷組合長。中立的な立場で重宝され、事件に巻き込まれる。果実出荷組合長の立場もあり、池浦源作も邪険にしなかった。
終始常識的な対応をして事件解決を見届ける。 |
警察署長 |
立場上保身が目立つが、常識的な範囲での対応に終始する。 |
竹岡とも子(池浦とも子) |
池浦源作の現在の妻。未亡人で小金を貯めているらしい。源作はとも子の小金が目当てで結婚したと言われている。 |
鈴木初太郎 |
末永セイの兄。甚吉を引取育てる。妹の末永セイには親切だったようだ。 |