題名 | 西連寺の参詣人 | |
読み | サイレンジノサンケイニン | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 増上寺刃傷■【蔵書No0195】 | |
出版社 | (株)講談社 | |
本のサイズ | 文庫(講談社文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 2003/01/15●1987年1月に収録されたもをあらたに大活字、新装版として刊行 | |
価格 | 619+税(5%) | |
発表雑誌/発表場所 | 「サンデー毎日」特別号 | |
作品発表 年月日 | 1958年(昭和33年)6月号 | |
コードNo | 19580600-19580600 | |
書き出し | 嘉永年間のことだが、下谷二丁目に諸国銘茶や茶道具の小売りを商っている与助という者がいた。しかし、商いは女房にやらせているので、与助自身は町奉行所に出入りして与力や同心の指図をうけている小者、俗にいう岡っ引きであった。与助は三十を五つ六つ越した男で、これまで度々面倒な事件を解いた手柄があり、仲間うちでもいい顔だった。この世界でも実力がないと羽振りが利かない。下谷の与助といえば、奉行所の役人の間でも確かな男だという評判をとっていた。桜と一緒に三月の花見月が終わると四月に入り、朔日からは袷を着る。江戸の人はこんなことには几帳面で、五月五日の端午には一斉に単衣に着替えるのである。江戸の生活ほど季節感を鋭敏に行事にとり入れたものはなかった。その四月朔日の昼間、与助が遅い朝飯を食っていると二人の客が訪ねて来た。一人は浅草の馬道にいる綿屋で彦六といって与助の知り合いだった。もう一人は彼の知らない人物だが、五十に手の届きそうな、横鬢が少し薄くなった男だった。 | |
作品分類 | 小説(短編・時代) | 41P×440=18040 |
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