題名 | 愛と空白の共謀 | |
読み | アイトクウハクノキョウボウ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔中央公論社=真贋の森〕 | |
本の題名 | 共犯者■【蔵書No0135】 | |
出版社 | (株)新潮社 | |
本のサイズ | 文庫(新潮文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1980/05/25●51版2002/06/05 | |
価格 | 514+税(5%) | |
発表雑誌/発表場所 | 「女性自身」 | |
作品発表 年月日 | 1958年(昭和33年)12月12日号 | |
コードNo | 19581212-00000000 | |
書き出し | 勝野章子はふた月に一度ぐらいで、ひとりで一週間を過す。つまり、それは夫がそれだけの出張をしている期間であった。夫の俊吾は、電気器具製造会社の営業課長であった。東京が本社で、大阪は支社である。この会社では営業会議を東京と大阪と一回ずつ隔月に行なった。勝野俊吾がひと月置きに一週間の留守になるのは、その大阪行きのためであった。そのことは俊吾が課長になって以来、三年間続いた習慣である。秋の来たある朝、章子は主張する夫をバスの停留所に送った。そこに行くまで章子は夫の鞄を持ち、自分が整理して詰めた内容物の重さを感じながら、夫のあとに従った。夫はいつものように、あとを頼むよ、と言ったくらいであまり口数を言わず、煙草の青い煙を流しながら軽やかに歩いていた。バスが車体を小ゆるぎさせてやってき、待っていた他の人たちにまじって太った夫は内にはいった。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 21P×560=11760 |
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