題名 | 種族同盟 | |
読み | シュゾクドウメイ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=火と汐(文春文庫)〕 | |
本の題名 | 松本清張全集 38 皿倉学説・短編4■【蔵書No0137】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1974/07/05●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「オール讀物」 | |
作品発表 年月日 | 1967年(昭和42年)3月号 | |
コードNo | 19670300-00000000 | |
書き出し | 人間の不仕合せは、ほんのちょっとしたはずみから起きる。あたかも空気中には見えない菌が浮遊していて、指の一端に接触するようなものだ。私の場合、それは東京地裁の廊下で起った。何かの用事で歩いていると、向うから同業の楠田弁護士が小脇にふくらんだ風呂敷包みをかかえ、忙しそうにくるのに出遇った。私たちは、そこで立ち話をした。「だいぶん忙しいそうだね?」「うん、国選弁護を少し引受け過ぎた」楠田弁護士は小脇の風呂敷包みをゆすりあげて見せた。もちろん、事件書類が詰まっているのだ。「君は精力家だから、何とかこなせるだろう?」「それはいいのだが、少し困ったことができた。仙台の母親が危篤なんだと云ってきた。永いこと床についている年寄りで、今度はいけないかもしれない。それで、僕も二、三日は帰ってきたいのが、この通り仕事をかかえているし、弱っている」彼は顔を曇らせて云った。そんなことから、私は彼を手伝うことになったのだ。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 32P×1000=32000 |
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