松本清張(1027)_カルネアデスの舟板(原題)

(別題=許者の舟板)

題名 カルネアデスの舟板
読み カルネアデスノフナイタ
原題/改題/副題/備考 (別題=許者の舟板)
本の題名 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2【蔵書No0086】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1973/2/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「文學界」
作品発表 年月日 1957年(昭和32年)8月号
コードNo 19570800-00000000
書き出し 昭和二十三年の早春のことである。××大学教授玖村武次は、中国地方の或る都市に講演旅行に行った。玖村は歴史科の教授である。彼をよんだのは、土地に教職員組合であったが、ひどく盛会で、会場に当てられたその大学の講堂は満員になった。聴衆の大部分はその地方の学校の若い教師たちで、遠いところから汽車で駆けつけてきた者も多かった。型の如く講演のあとには座談会がある。それも甚だ賑やかで、活溌な質問がいつまでもつづいた。玖村が解放されて宿に帰って寝たのは遅い夜更けであった。彼は宿の者に、朝七時に起こすことを命じた。朝ゆっくり寝る慣習の彼には珍しいことであったが、それは目的があったからである。玖村は、この講演を依頼された時から、大鶴恵之輔を訪ねることを思いついていた。大鶴恵之輔は玖村の恩師で、同じ××大学の前の教授であった。
作品分類 小説(短編) 28P×1000=28000
検索キーワード 大学教授・教科書・唯物史観・料理屋・出版社・田園調布・講演旅行・不条理・緊急避難