題名 | 鬼畜 | |
読み | キチク | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)光文社=松本清張短編全集7 鬼畜〕 【重複】〔(株)角川書店=潜在光景(角川ホラー文庫)〕 |
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本の題名 | 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2■【蔵書No0086】 | |
出版社 | (株)文藝春秋 | |
本のサイズ | A5(普通) | |
初版&購入版.年月日 | 1973/2/20●初版 | |
価格 | 880 | |
発表雑誌/発表場所 | 「別冊文藝春秋」57号 | |
作品発表 年月日 | 1957年(昭和32年)4月号 | |
コードNo | 19570400-00000000 | |
書き出し | 竹中宗吉は三十すぎまでは、各地の印刷屋を転々として渡り歩く職人であった。こんな職人は今どきは少なくなったが、地方には希にあるのだ。彼は十六のときに印刷屋の弟子入りして、石版の製版技術を覚え込むと、二十一の時にとび出して諸所を渡り歩いた。違った印刷屋を数多く歩くことを、技術の修行だと思っていたし、実際そうでもあった。宗吉は、二十五,六になると立派な腕の職人になっていた。殊にラベルのような精密な仕事がうまく、近県の職人仲間の間で彼の名を云えば、ああ、あの男か、と知らぬ者が無かった。それくらいだから雇い主は、彼に最上の給金を払って優遇した。彼は酒もあまり飲めず、女買いも臆病な方で、剰った金は貯金通帳にせっせと入れた。将来、印刷屋を開くつもりはあったのである。二十七のときに彼は女房をもった。お梅という女で、働いていた印刷所の住み込みの女工であった。痩せていて、一重瞼の目尻が少しつり上がっているほかは、さして不美人とも思えない。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 14P×1000=14000 |
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