松本清張(1079)_疑惑

題名 疑惑
読み ギワク
原題/改題/副題/備考 【同姓同名】
【重複】〔(株)講談社=増上寺刃傷(講談社文庫)〕
本の題名 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2【蔵書No0086】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通) 
初版&購入版.年月日 1973/2/20●初版
価格 880
発表雑誌/発表場所 「サンデー毎日臨時増刊」
作品発表 年月日 1956年(昭和31年)7月号
コードNo 19560700-00000000
書き出し 伊田縫之助は、近ごろ妻の瑠美と浜村源兵衛との間に、疑惑を持つようになった。縫之助は添え番衆といって、大奥の雑事方を務める八十石の御家人である。浜村源兵衛も同役である。二人の間は、役目の上というだけで、さして親しくはない。ただ、家が隣りを二,三軒置くほど近かった。縫之助は源兵衛と親密ではないが、甥の三右衛門も妻の瑠美も、縫之助が伊田家に養子に来る前から源兵衛と親しかった。縫之助はこの家の婿となって、はじめて瑠美と源兵衛とが幼い時から友だちということを知った。それだけでは、縫之助の心に、鳥の胸毛一本ほどの重みにも感じられなかったが、この半年前に源兵衛は妻を喪った。それ以来、彼は屡々縫之助の屋敷に遊びに来るのである。縫之助の屋敷といっても、まだ五十を出たばかりの隠居の三右衛門が、赤ら顔をてかてかさせて達者であった。酒飲みだし、人が来るのを喜ぶ方なのである。
作品分類 小説(短編・時代) 18P×1000=18000
検索キーワード 嫉妬心・添番・幼なじみ・妄想・実証・脱獄・婿・舅・倒幕の士・釘・添え番衆・隠居