松本清張_転変

題名A 転変
読み テンペン
原題/改題/副題/備考 【同姓同名】
【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集35〕
注)出だしが違う/慶長年九月(関ヶ原の合戦は慶長5年)
本の題名 奥羽の二人【蔵書No0140】
出版社 (株)講談社
本のサイズ 文庫(講談社文庫)
初版&購入版.年月日 1986/11/15●23版2002/12/16
価格 495+税(5%)
発表雑誌/発表場所 「小説公園」
作品発表 年月日 1954年(昭和29年)5月号
コードNo 19540500-00000000
書き出し 慶長年九月、関ヶ原で大捷した家康は、すぐには入洛せず、しばらく大津の三井寺に滞在して、味方の諸将の賀詞をうけた。家康の前を下がってきた諸将の顔は、いずれも晴々としていた。家康から如才のない、鄭重な礼をいわれると、戦闘の疲労も忘れて喜んだが、なかにも福島正則の喜色は一方ではなかった。彼は家康から人一倍懇ろな謝辞をうけたのである。「この度の勝利は全く其許のお陰でござる。この御恩は末代まで忘却いたさぬ」と家康はかけていた床几からわざわざ起って正則の手を握った。正則には家康の言葉が、全くのお世辞とは思えなかった。こういう挨拶をされても、当然だというきがした。石田三成が挙兵した報を家康がうけとったのは七月二十四日、対上杉戦のため、野州小山に出陣したときである。家康はこの飛報をうけることを予期していたので、すぐに軍を返して西上することにした。
作品分類 小説(短編・時代)
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