題名A | 賞 |
読み | ショウ |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)角川書店=延命の負債(角川文庫)〕 |
本の題名 | 松本清張全集 36 地方紙を買う女・短編2■【蔵書No0086】 |
出版社 | (株)文藝春秋 |
本のサイズ | A5(普通) |
初版&購入版.年月日 | 1973/2/20●初版 |
価格 | 880 |
発表雑誌/発表場所 | 「新潮」 |
作品発表 年月日 | 1957年(昭和32年)1月号 |
コードNo | 19570100-00000000 |
書き出し | 私が粕谷侃陸という名を知ったのは、随分前からであった。この人の著書は、かなりな古本屋なら殆ど置いている。私の見る限りでは、たいていは棚の上の方の、天井近いところにならべて埃を浴びていた。手も届かないそんな高いところにある本は、あまり動きそうもない品であろうか、粕谷侃陸の書物がそういう種類の地味なものらしかった。彼の著書は二つあって、一つは千ページ近い厚さで上下からなる「古社寺願文の研究」という戦前出版の大部なものと、一つは戦時中に出した二百ページぐらいの「古社寺蔵の古文書」という小型のものとである。厚い二部の方は、戦前でも豪華な出版らしく、古代染色の文様を模した布製の装幀で、いかにも落ちついた重量感のあるものだが、もう一つは戦時中のせいもあってか、比較にならぬ薄っぺらな貧弱な本だった。私の眼に触れる彼の著書は、この二冊だけであった。 |
作品分類 | 小説(短編) |
検索キーワード | 古本屋・古文書・学士院賞受賞・詐欺・地方都市 |