松本清張_三味線

題名 三味線
読み シャミセン
原題/改題/副題/備考  
本の題名 延命の負債【蔵書No0017】
出版社 (株)角川書店
本のサイズ 文庫(角川文庫)
初版&購入版.年月日 1987/06/25●初版
価格 380
発表雑誌/発表場所 「別冊文藝春秋」
作品発表 年月日 1966年(昭和41年)9月号
コードNo 19660900-00000000
書き出し 隆介は、息子の順治から結婚したい女がいると打ち明けられたとき、まだ少し早いなと思った。順治は二年前に大学を出て、今ある商事会社の社員になっている。隆介は、息子が二六,七になってから嫁をもらってやるつもりでいた。「相手はどういうところの人だ?」親子の間でも、近頃ではめったに話し合うことはない。それが、この話になると、順治のほうから進んで打ち明けた。母親に話す前にじかに父親に申し込むのは、やはり近ごろの若い者だと思った。「向こうのお父さんはF社の人事部長をしているよ」F社というのは窒素関係の会社で、かなり有名である。そこの人事部長なら、家庭としてはまず申分ないと思った。隆介は、変なところから嫁がこないですむのにまず安心した。娘は二十一だという。短期大学を卒業して、いまデパートで働いているといった。「デパートか」隆介が少しがっかりすると、息子は、その娘は売場ではなく、事務所で計算係をしているひとだといった。きっかけは、自分の知っている女がそのデパートにいて、その友だちだという。
作品分類 小説(短編) 13P×600=7800
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