題名 | 子連れ | |
読み | コズレ | |
原題/改題/副題/備考 | ||
本の題名 | 延命の負債■【蔵書No0017】 | |
出版社 | (株)角川書店 | |
本のサイズ | 文庫(角川文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1987/06/25●初版 | |
価格 | 380 | |
発表雑誌/発表場所 | 「別冊文藝春秋」 | |
作品発表 年月日 | 1965年(昭和40年)3月号 | |
コードNo | 19650300-00000000 | |
書き出し | 八田圭介は、小説を書くのを職業としている。あるとき、山陰のある小さな都市に帰った。ここは圭介の郷里だった。彼は東京に出て十年以上になっていた。郷里にはめったに帰ったことがないので、その晩、友人や知人たちが土地の旅館で歓迎宴のようなものを催してくれた。田舎は年月を経ても大した変化がないとみえ、旧い友人たちで職業を変えたものは一人もなかった。ただ、家庭裁判所の調停委員や、市会議員などになっている程度だった。それだけ皆は年齢を重ねたことになる。こういう席でよく出る話が尽きかけたころ、ある友人がこんな話を彼に聞かせた。町から十里ばかり山よりに小さな村があるが、そこに四,五年前から居着いた三十七,八歳くらいの男がいる。彼は関西地方から来たのだが、妻がその村に縁故のある関係で、馴れない養豚業か何かをはじめた。彼は、酒呑みの上、怠け者で、偏屈で、それに人間的に暗いという。大体田舎ではよそ者を嫌う。初めは村の者も普通につき合っていたが、その男があまりに偏屈なので誰も近づかなくなって、今では、村八分にされている。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 21P×600=12600 |
検索キーワード | 小説家・養豚業・粒・ニコヨン・村八分・CIA |