松本清張_影の地帯

題名 影の地帯
読み カゲノチタイ
原題/改題/副題/備考  
本の題名 影の地帯【蔵書No0008】
出版社 (株)光文社
本のサイズ 新書(KAPPANOVELS)
初版&購入版.年月日 1931/03/10●179版1976/11/10
価格 600
発表雑誌/発表場所 「河北新報」
作品発表 年月日 1959年(昭和34年)5月7日〜1960年(昭和35年)6月1日
コードNo 19590507-19600601
書き出し 田代利介は、福岡の板付空港発十二時五十分の日航機に乗ったが、機が離陸してまもなく、北九州の空にさしかかるころから、シートに崩れかかるように寝込んでしまった。この十日間、彼は九州を一周り歩いて疲れた。別府、宮崎、鹿児島、雲仙と回りそれぞれのキャンプで練習しているプロ野球チームの写真を撮ってきたのだ田代利介は、若いのに似合わず野球にあまり興味がない。そのような写真を撮りにわざわざ東京から九州に来たのは雑誌社に頼まれたためである。田代利介はカメラマンである。腕が確かなのと、対象を見つめるのに独特のエスプリがあり、彼の写真には洗練された「眼」があるというので評判がよかった。「斬新だ。」「何よりも芸術性と、社会的センスとが融合している。腕だけに頼りかかる職人的な写真家の多い中に、すぐれた才能をもっている。」というのが、批評家や、雑誌編集者たちの彼への評価であった。
作品分類 小説(長編) 392P×800=313600
検索キーワード フリーカメラマン・バー・エルム・電力地下資源・保守党・死体処理・信州・野尻湖・湖・富士山・飛行機
【カバー】若くて野心的なカメラマン田代利介が、飛行機の中で、富士山を撮りたいと思い立った−−−これが、彼が事件の渦中に巻き込まれる運命の発端となった。さらに、独身でカメラを恋人としていた彼が、いつか夢のような恋を人に秘めねばならなくなったのも、その時の出来事が原因であった。銀座裏のバーのマダムの失踪−−−それは、情事の果てでも経営の失敗からでもない−−−もっと大きな、恐ろしい謎に包まれている。