題名 | 支払いすぎた縁談 | |
読み | シハライスギタエンダン | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)文藝春秋=松本清張全集37〕 | |
本の題名 | 遠くからの声■【蔵書No0007】 | |
出版社 | (株)講談社 | |
本のサイズ | 文庫(講談社文庫) | |
初版&購入版.年月日 | 1976/10/15●2版1976/12/15 | |
価格 | 260 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊新潮」 | |
作品発表 年月日 | 1957年(昭和32年)12月2日号 | |
コードNo | 19571202-00000000 | |
書き出し | 其処は、「和名抄」に見えているくらいだから旧い土地であった。二つの山脈にはさまれた狭い盆地の聚落である。村は裕福ではなかった。さりとてみすぼらしく貧困でもなかった。一本の川が流れ、両岸には広い桑畠があった。秋ごが終わると間もなく、遠い高い山には雪が来る。萱野家はこの土地の旧家であった。それを証明するような古文書をいくつか持っていた。田舎の旧家の貫禄はそれだけでは足りぬ。萱野家は相応の財産も持っていた。もとは大地主だったが、農地改革で三分の二を喪った。それでも山林は手つかずにある。当主の徳右衛門は何度となく村長に推されたが固辞した。小なりといえ村長も政治家である。政治に手を出していいことがない。財産は減るに決まっている。県会議員選挙で潰れた資産家の実例があった。村長は運動で金を費い、当選してからも村会議員にたかられる。徳右衛門は身慄いして断りつづけた。 | |
作品分類 | 小説(短編) | 16P×650=10400 |
検索キーワード | 縁談・和名抄・旧家・古文書・慰謝料・結婚詐欺・資産家 |