題名A | なぜ「星図」が開いていたか | |
読み | ナゼ「セイズ」ガヒライテイタカ | |
原題/改題/副題/備考 | 【重複】〔(株)講談社=遠くからの声〕 | |
本の題名 | 松本清張短編全集7 鬼畜■【蔵書No0197】 | |
出版社 | (株)光文社 | |
本のサイズ | 新書(KAPPANOVELS) | |
初版&購入版.年月日 | 1964/06/20●11版1968/05/20 | |
価格 | 350/古本 300(税5%込み)+送料340 | |
発表雑誌/発表場所 | 「週刊新潮」 | |
作品発表 年月日 | 1956年(昭和31年)8月20日号 | |
コードNo | 19560820-00000000 | |
書き出し | 真昼は灼けるような暑さのつづく七月下旬のある夜、東京都世田谷区△町に住む倉田医師は、看護婦から電話を取り次がれた。「先生、急患でございます」「誰だ?」「×町一ノ四八六番地の藤井といっています」医師は読みかけの本を措いて、急いで頭の中でカルテを繰ったが、そんな名前は無かった。「もしもし、藤井さんと仰言ると?」電話口に出て医師は無愛想に訊いた。「はい。今まで病人ではなかったものですから、先生に診ていただいては居ませんが−−−」相手は澄んだ女の声で、医師の気持ちを忖度した言い方をした。「主人が只今、変でございます。多分、心臓麻痺だと思いますが、倒れたきりでございます。恐れ入りますが、お出で願えましょうか?」医師は腕時計を見た。八時二十四分であった。すぐ行く、と返事して電話を切った。鞄の中に死亡診断書の用紙を入れた。看護婦を乗せたトヨペットを自分で運転して、電話で聞いた地形をたよりに行くと、十分もたたぬうちに、その家を発見した。近所は暗かったが、その家の玄関だけが明るく灯がついていたので、すぐ分かった。 | |
作品分類 | 小説(短編) | |
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