松本清張_火の路(上)(改題)

(原題=火の回路)

題名 火の路(上)
読み ヒノミチ_01(ジョウ)
原題/改題/副題/備考 (原題=火の回路)
火の路(上)
火の路(下)
本の題名 火の路(上)【蔵書No0157】
出版社 (株)文藝春秋
本のサイズ A5(普通)
初版&購入版.年月日 1975/11/10●初版
価格 1300
発表雑誌/発表場所 「朝日新聞」
作品発表 年月日 1973年(昭和48年)6月16日〜1974年(昭和49年)10月13日
コードNo 19730616-19741013
書き出し 明日香村の中心になっている町なみから南に行くと、人家の集まりがしばらく途切れてのち、岡の小さな商店街に入る。戸籍のように正統にいえば奈良県高市郡明日香村岡だが、岡寺のあるところとして通りがいい。そこまでの舗装路は以前のままの県道だから東側の丘陵の線に沿ってゆるやかな屈折がある。西側の田畑になっている。ひろい丘陵にも田にもまだ冬の色が残っていたが、晴れた午後の、かなり強くなってきた陽ざしにそれがぬくめられていた。田は鋤に返されたままの粘りのある黒い土を見せ、畑には短い麦が青い色を伸ばしかけていた。が、ひろびろとした風景には緑が少なく、主調は黄色と茶褐色、丘陵の雑木林は裸の梢の群れ、幹にからみついたツタカズラも枯れたままで落葉のつるも下草にずりさがっている。田圃の木立もわびしいが、道から見える孤立した林に梅が白くのぞいていた。
作品分類 小説(長編) 794P×630=500220(396P+398P)
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【帯】朝日新聞連載「火の回路」改題
飛鳥路を一人歩く気鋭のT大史学科助手高須通子。古代人の残した様々の謎の石は何を語りかけるのか。

殺傷事件にまきこまれた落胆の在野史家海津信六を助けた通子は、彼の示唆ではるかイランへ旅立つ。見果てぬ学問の夢をのせて・・・・・。壮大なスケールで描く巨匠長篇ロマン